茶祖 栄西禅師 建仁寺

今の中国、宋の国に渡り、日本に初めてお茶を持ち込んだのが臨済宗の開祖栄西禅師。
その功績はあまりにも大きい。
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建仁寺(けんにんじ)は、京都府京都市東山区にある臨済宗建仁寺派大本山の寺院。山号を東山(とうざん)と号する。本尊は釈迦如来、開基(創立者)は源頼家、開山は栄西である。

京都五山の第3位に列せられている。
俵屋宗達の「風神雷神図」、海北友松(かいほうゆうしょう)の襖絵などの文化財を豊富に伝える。
山内の塔頭としては、桃山時代の池泉回遊式庭園で有名であり、貴重な古籍や、漢籍・朝鮮本などの文化財も多数所蔵していることで知られる両足院などが見られる。

また、豊臣秀吉を祀る高台寺や、「八坂の塔」のある法観寺は建仁寺の末寺である。寺号は「けんにんじ」と読むが、地元では「けんねんさん」の名で親しまれている。

日本に臨済宗を正式に伝えたのは栄西(ようさい、えいさい)がはじめとされている。
栄西は永治元年(1141年)、備中国(岡山県)に生まれた。13歳で比叡山に上り翌年得度(出家)。仁安3年(1168年)と文治3年(1187年)の2回、南宋に渡航した。

1度目の渡宋はわずか半年であったが、2度目の渡宋の際、臨済宗黄龍派(おうりょうは)の虚庵懐敞(きあんえじょう)に参禅した。
建久2年(1191年)、虚庵から印可(師匠の法を嗣いだという証明)を得て、帰国する。
当時、京都では比叡山(延暦寺)の勢力が強大で、禅寺を開くことは困難であった。

栄西ははじめ九州博多に聖福寺を建て、のち鎌倉に移り、北条政子の援助で正治2年(1200年)に建立された寿福寺の開山となる。
その2年後の建仁2年(1202年)、鎌倉幕府2代将軍源頼家の援助を得て、京都における臨済宗の拠点として建立されたのが建仁寺である。
伽藍は宋の百丈山に擬して造営された。

栄西禅師と言って忘れてならないのが建仁寺。
ここはその栄西の足跡が、功績を讃える碑という形で、しっかりと残されている。
留学中の宋(そう)で熱病にかかったとき、老僧に茶を飲ませてもらい身体が回復したので、これはよいものだと日本へ持ち帰ったそうです。

最初は京都の栂尾(とがのお)で栽培されますが、室町から鎌倉期に宇治へ伝わり、現在の宇治茶のルーツとなりました。
また「茶は養生の仙薬、延齢の妙術である」という文章で始まる『喫茶養生記』という本を書いて、鎌倉3代将軍・実朝に献呈しています。
上下2巻からなるこの本は、喫茶の方法、茶樹の栽培、薬効など、茶に関する総合書。

東陽坊
草庵式二帖台目席。天正十五年(1587)に豊臣秀吉が催した北野大茶会で、利休の高弟・真如堂東陽坊長盛が担当した副席と伝えられています。
二帖台目席でもっとも規範的な茶室とされ、茶室の西側には当寺の名物「建仁寺垣」が設けられています。

織田信長の実弟で利休門下七哲のひとり、織田有楽斎が遺した、現存する国宝茶席三名席のひとつ。
元和4年(1618年)のころに建てられ屋根は単層で入母屋造、柿葺。内部2畳半台目、壁の腰には暦が張られ別名暦の席という。

建仁寺本坊中庭にある潮音庭(ちょうおんてい)は中央に三尊石その東には坐禅石、廻りに紅葉を配した枯淡な四方正面の禅庭であります。

本坊裏の 潮音庭 ( ちょうおんてい ) は中央に三尊石を組み、その東に座禅石を配した四方正面の禅庭です。

【風神雷神図(国宝)】紙本金地著色。本図には落款も印章もありませんが、江戸時代を代表する画家俵屋宗達の真作として、しかも晩年の最高傑作とされています。
金地の二曲一双屏風のそれぞれに風神と雷神を描く。

たっぷりと取られた余白が広い空間を暗示し、天空を駆ける両神のダイナミックな動きを感じさせる。
俵屋宗達の代表作として名高い。原本は京都国立博物館に寄託されているが、複製の屏風および陶板は建仁寺で見ることができます

建仁寺の海北友松筆 「雲龍図」

法堂の天井一面に仏法の守り神とされる二匹の龍が描かれていますが・・・
まだ新しくて2002年の記念事業として描かれたもの。

大きさは縦十一・四メートル、横十五・七メートル(畳十八枚分)あり、丈夫な和紙に、「程君房」といわれる墨を使用して描かれています。

対馬行列輿
五山僧は漢文に関する知識が広く、これが外交文書作成の面から、江戸時代の外交に一役買うこととなる。
徳川幕府寛永12年南禅寺を除いた5山寺院の天竜・相国・建仁・東福の4山碩学(せきがく)より輪番制で対馬に出張駐在させることになった。

慶応2年(1866)まで230年間続くこととなる。
これらの僧は当時の5山の代表的人物で、建仁寺からは18師が名を連ねている。

小さな陶製の十六羅漢像の造形も面白い。
明治末から大正初めにかけて清水、五条地域の陶芸家16人がそれぞれ1体ずつ腕を競って作り奉納した。

それぞれの陶芸家が得意とする焼き方や陶質、磁質、釉薬を使って製作しており、京都の陶芸の優れた技術と幅の広さを垣間見ることができる。

建仁寺へのアクセス、行き方歩き方

建仁寺公式サイト

住所:東山区大和大路四条下ル小松町584
電話:075-561-0190

京阪電車「祇園四条駅」より 徒歩 7分
阪急電車「河原町駅」より 徒歩10分