「坂の上の雲」の秋を歩く:司馬遼太郎記念館の紅葉風景

秋の気配に誘われて


この時代にこそ思い出したい『坂の上の雲』のメッセージ、それは「未来を信じて坂を登る意志の力」だと感じます。

司馬遼太郎さんはこの作品のあとがきで、「このながい物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である」と語っています


彼らは決して豊かではなく、むしろ困難の連続の中にいたけれど、それでも「坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう」と信じて進んだのです。

紅葉と静寂の庭で


司馬遼太郎記念館の紅葉、まさに静かな秋の風情を味わえる素敵なスポットですよ 🍁

記念館の庭は、司馬遼太郎さんが愛した雑木林をイメージして造られていて、秋になると木々が色づき、こじんまりとした空間に温かみのある紅葉が広がります。

派手さはないけれど、落ち着いた佇まいが、まるで司馬さんの作品世界に入り込んだような気持ちにさせてくれるんです


記念館の建物は安藤忠雄さんの設計で、地下1階から地上2階まで吹き抜けの大書架が圧巻。
紅葉の季節には、外の彩りと館内の静謐な空気が絶妙に調和して、まるで時間がゆっくり流れているように感じられます。

紅葉の中で、司馬さんの書斎を窓越しに眺めながら、物語の余韻に浸る…そんな秋のひととき、想像するだけで心がほっこりしますね。

安藤忠雄さんの建築は、まるで静かな詩のように、光と影、コンクリートと自然が語り合う空間です。 彼の代表作には、訪れる人の心を揺さぶるような場所がたくさんあります


安藤忠雄氏のデビュー作であり、代表作でもあります 狭小住宅としての挑戦 「住吉の長屋」

最近は淡路夢舞台に通っています。
紅葉の兆し 淡路夢舞台
安藤氏の建築は「光と影」 淡路夢舞台

明治という時代は、身分制度が崩れ、誰もが努力次第で未来を切り拓けるという希望に満ちた時代でした

秋山兄弟や正岡子規のように、地方出身の若者たちが国家の未来を担うという気概を持ち、学問・軍事・文化の分野で邁進していく姿は、今の私たちにも大きな示唆を与えてくれます。

現代は、情報があふれ、未来が見えにくく感じることも多いけれど、「一朶の雲」を信じて歩み続けることの大切さは、今も変わらないのかもしれません。
あなたにとっての「坂の上の雲」は、どんな風に見えていますか?