昭和初期の常滑の町には何十本もの煙突が林立し黒い煙がもくもくと立ち上がり活気に満ちていた。
その頃の主力製品は土管で、常滑港から出荷された。
それが今では窯はガス釜となり、陶器製の土管は使われなくなり、無用の煙突の数はどんどん減り続けた。
また、市名の由来はその土壌にあると言われており、「常」は「床」、「滑」は「滑らか」という意味で、床とはつまり地盤のこと。
古くからこの地は粘土層の露出が多く、その性質が滑らかなため「とこなめ」と呼び、そうした習俗が地名として定着していったと考えられている。
市の中心部には、レンガ煙突が点在するなど、窯業で栄えた古くからの町並みがそのまま残っている。
この地域はやきもの散歩道として整備されており、登り窯や黒板塀、「土管坂」などの情緒ある風景が見られ、前衛作家などのギャラリーも多く存在する。