紅葉の高山寺を訪れる

京都府

高雄・槇尾・栂尾は三尾といわれ、いずれも京都市北西部の紅葉の名所として知られていて、「栂尾山 高山寺」ももちろん紅葉の名所としてその美しさが有名。

バス停の傍から高山寺の境内に通じる道、「裏参道」がついており、ついつい裏参道からの参拝になってしまう。

三尾では高山寺が一番紅葉が遅く、訪れたときははば見ごろといえるだろう。

急な階段を上り、石水院へのわき道に出る、ふと振り返ると朝の冷気と強い日差しが明け方までの雨に濡れた参道を照らし気持ちいい。

創建は奈良時代と伝えるが、実質的な開基(創立者)は、鎌倉時代の明恵。

石水院は、鎌倉時代初期の寝殿風住宅建築で、後鳥羽院の賀茂別院を移築したものといわれている。

明恵は建永元年(1206年)、34歳の時に後鳥羽上皇から栂尾の地を与えられ、また寺名のもとになった「日出先照高山之寺」の額を下賜された。
この時が現・高山寺の創立と見なされている。

明恵房高弁(1173-1232)は承安3年(1173年)、紀伊国有田郡(現在の和歌山県有田川町)で生まれた。
父は平重国という武士であり、母は紀州の豪族湯浅家の娘であった。

幼時に両親を亡くした明恵は、9歳で生家を離れ、母方の叔父に当たる神護寺の僧・上覚(1147-1226)のもとで仏門に入った。

また、境内の茶園は、鎌倉時代初期に明恵上人が栄西禅師から贈られた茶種を植えたところで、ここから全国に茶が普及したといわれている。

この由緒から、毎年11月8日には、宇治の茶の製造業者から新茶が上人廟前に献上される。

表参道から「金堂」まで「金堂道」と呼ばれている石段の道がつけられている。

朝の冷気と差し込む木漏れ日が清々しい。

紅葉のピークが過ぎると、参道は落葉した楓で埋め尽くされ、石が浮かび上がるという構図になっている。

今日は祭日で京都駅からはJRバスの臨時便が運行され、境内は参拝者であふれ帰っている。

ゆっくり参拝するには紅葉の時期を外したほうが良い。

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