退蔵院ではこの時期、お食事つき特別拝観プランが行われている。
退蔵院の目玉で国宝に指定されている『瓢鮎図(ひょうねんず)』に因んで屋根の瓦にも瓢箪とナマズが。
方丈前に掛かる日本最古と伝わる山水画「瓢鮎図(ひょうねんず)」は山水画の始祖といわれている如拙が、足利義持の命により心血注いで描き、現存する彼の作品の中で最高傑作といわれています。
「ただでさえ捕まえにくいなまずを、こともあろうに瓢箪で捕まえようとする。」この矛盾をどう解決するか、将軍義持は当時の京都五山の禅僧31人に参詩を書かせました。
高僧連が頭をひねって回答を連ねた様子は正に壮観です。
方丈の枯山水庭園「元信の庭」は国の史跡名勝。
室町期の画聖・狩野元信の作と伝わります。
今日のお昼は通常非公開の「書院」でいただいたが、実はその書院の壁面に「かくれ茶室」があります。
ご覧の通りふすまを開けると茶室が現れます。
参禅を第一主義とする妙心寺では、茶の道が修行の妨げになると考え、これを禁じた時代がありました。
ところが執心のあまり、密かに茶室が作られました。
第六世千山和尚の作と言われ、外部からは茶席とわからないように巧みに設計されていることから、「かくれ茶室」とも言われています。
通常非公開ですが、特別拝観時などに公開しています。
約50年前、「余香苑」の完成時に植えられた退蔵院の紅枝垂れ桜は、平安神宮の孫桜にあたる木で、2013年にJR東海「そうだ京都、行こう。」キャンペーンにも使用されました。
どの手水にも花が添えられていた。
茶室の前の庭の桜は見事に咲き誇っている。
その傍らにはこの時期としては珍しくアジサイも。
マンサクの花も満開です。
約1千坪に及ぶ退蔵院の池泉式回遊式庭園「余香苑」。
この広大な庭園は造園家・中根金作氏の設計によるもので、昭和38(1963)年に着工し、3年の月日を費やして完成しました。
余香苑(よこうえん)は伝統的な造園手法を基盤とした厳しさの中にも優雅さを含み、京都はもとより全国でも有数の昭和の名園と言えます。
構造上目立たぬ苦心が随所に払われており、正面から庭園を見渡すと、奥行きが生まれ、庭園が広く見えることなどが例としてあげられます。
一年を通して、紅しだれ桜や藤、サツキ、蓮、金木犀、楓などが彩ります。
桜の花びらの中をコイが泳ぐ。
モネの絵ではないがスイレンも。
池の畔の藤棚では藤の花芽が。
紅葉の緑が鮮やかだ。
ヤマブキもあちらこちらに見られる。
珍しい「日陰ツツジ」
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退蔵院へのアクセス、行き方歩き方
京都市右京区花園妙心寺町35
JR花園駅から徒歩7分