参拝客は老若男女さまざまであるが女性が多い。
住職の「鈴虫説法」もまた人気の秘訣なのだろう。
土日、連休は1~2時間は待たなければならないこともあるので、早朝開門時間に合わせるように行くのがよいだろう。
自然石で造られた階段は80段。
参拝者が多いときには、階段まで人が並ぶ。
華厳寺(けごんじ)は、京都府京都市西京区にある臨済宗の寺院である。
山号は「妙徳山」(みょうとくさん)。
本尊は大日如来。
正式名称は「華厳寺」であるが、スズムシを四季を通して飼育しているため、通称「鈴虫寺」(すずむしでら)と呼ばれている。
寺の所在地はかつての最福寺の旧地である。
最福寺は平安時代末期、源義家の後裔の延朗上人によって建立されたもので、現在も華厳寺の東方に「谷ヶ堂」という小堂が最福寺の旧跡として残されている。
様々な種類の竹を集めた庭園や、わらじをはき、願い事を一つだけ叶えるという「幸福地蔵」、僧侶による参拝者への茶菓のもてなしと鈴虫説法等も有名で、京都市内の寺院の中でも特に積極的な拝観者招致策を展開し、成功した例としても知られる。
鈴虫寺の石段を上った山門脇には、「幸福地蔵さん」が立っている。
本当のお名前を「幸福地蔵菩薩」と言い右手には錫杖(しゃくじょう)、左手には宝珠(ほうじゅ)をお持ちになっておられる。
普通仏様は、皆はだしだが、「幸福地蔵様」は日本で唯一、わらじをお履きになられている。
これは、お地蔵様が皆様の所まで願いを叶え、お救いの手をさしのべるために、歩いて来てくださるからだという。
わらじをお履きになられたお地蔵さん。
ひとつだけ願いを叶えに来てくださるというのがミソ。
お守りを買った人は、幸福地蔵さまに、教えてもらった作法通りにお参りをして寺を後にします。
幸福地蔵さまへのお願いの仕方を詳しく話される。
住所を言わないと、お地蔵さまが迷子になってしまうそうだ。
転居したら届けなければならないという。
ここまで言われたら白ける。
説法がおよそ30分。
その間、拝観希望者はこの通路で待たされる。
必ず説法を聞くシステムになっているので、要所だけを見たいという向きはパスした方がいい。
土日、特にゴールデンウィーク等の連休の参拝は避けた方がいい。
ここからずっと階段下のその先のバス停を過ぎたあたりまで並ぶことがあるという。
一番いいのは暴風雨の時という。
そこまで言えたら立派なものだ。
「人間は、虫のように無心になって生きていくことが大切」と悟りを開いた先代の住職。
その思いから始まったのは、秋にしか鳴かない鈴虫を一年中鳴かせるという試みだった。
鈴虫の寿命はわずか110日、そのうちきれいな羽音を鳴らすのは20日ほどである。
特殊な飼育法を研究し、鈴虫が過ごしやすい環境にするために冷暖房や湿度、照明にも大変な気を配り、28年を経て、毎日ふ化させることに成功した。
いまでは多い時には1万匹、少ない時でも2~3千匹の鈴虫が、一年中鳴き続けている。
庭園はよく手入れされていて要所にタヌキ等のモニュメントが置いてある。
庭園の緑と配されたあずまやがいい。
見学路の奥には東山三十六峰を一望できる広場があり、そこには当山開祖の鳳潭上人をはじめ歴代のご住職のお墓や観音様の像がある。
庭園内にある「鈴虫・万虫供養塔」。
短い命の中でひたすらに美しい音色を聞かせてくれる鈴虫たち。
その鈴虫たちとあらゆる虫たちの供養のためのもの。
庭園を一周したところ。
向こうの建物で説法が行われるが、説法が終わると、皆さっさと庭園を一周して帰ってしまう。
あの漫談のできそこないのような説法を聞くために何時間も並んで・・・
幸福地蔵さまへのお願いの仕方を微に入り細に入りくどくどと聞かされて・・・・
乙女心はよくわからない。
さすが、京都市内の寺院の中でも特に積極的な拝観者招致策を展開し、成功した例としても知られる・・・・と言われる所以だ。
三角竹、四角竹、黒竹、黄竹など珍しい竹が植えられ、市街や東山三十六峰が望める。
誰が書くのかいたずら書きが痛ましい。
寺の入り口にある茶店。
時節柄、筍ご飯はおいしかった。
鈴虫寺へのアクセス、行き方歩き方
住所:京都府京都市西京区松室地家31
TEL:075-381-3830 FAX:075-381-3841
営業日:月曜日~日曜日 9:00~17:00(最終受付16:30)
休業日:年中無休
拝観料:500円(説法含む、お茶・菓子つき)
阪急電鉄「松尾」駅から徒歩約15分。
阪急電鉄「上桂」駅から徒歩約15分。
京都バス「苔寺」バス停から徒歩2~3分。
市営バス「苔寺道」バス停から徒歩約10分。
市営バス「松室北河原町」・京都バス「北河原町」バス停から徒歩約10分。