大原は春夏秋冬、何度も訪れているが、紅葉に惹かれまたまた来てしまった。
漬物屋の脇から畑に出る、空には秋の雲、畑にはコスモスが揺れる。
ここはいつ来てもいい、今日は紅葉の真っ最中、混雑を承知の上でまた来た。
三千院前のモミジのトンネル、いつ見てもきれいだ。
ここは急いで通り過ぎる。
見上げれば満天の紅葉。
透かし紅葉を楽しむ。
三千院の門をパス、律川を渡り、実光院をパスして正面の勝林院の左の小道を行く、ひたすら宝泉院を目指す。
宝泉院の入り口参道、この無人の空間は偶然に訪れた。
カリンり実が一つ残っていた。
額縁庭園は後の楽しみにしてまず、宝楽園へ。
きめの細かい白川砂の庭園と見頃の紅葉のコラボレーションをもう一度見たいと・・・・
地球太古の創世と、その原初の海をイメージした庭園、2005年3月、宝泉院の敷地内約660平方メートルに作庭された。
庭園作家の園冶(えんや)が造園し、山形県や長野県などから約300トンの石を運んでいる。
何度も見た光景だが、あためて確認するかのように見渡す。
見上げれば紅葉が降り注ぐ。
蹲が印象的。
近江富士を型どる樹齢700年の五葉松。京都市指定の天然記念物。
京都市内にある3つの著名な松の一つ。
この盤桓園(ばんかんえん)は「立ち去りがたい」という意味を持ち、書院の柱や鴨居を額に見立てて鑑賞することから、「額縁庭園」という名でも親しまれている。
左に目をやれば入り口参道の突き当りの門が見える、訪れた人はまずこの門から樹齢700年の五葉松を見て感激する。
右に目をやる、客殿の西方、柱と柱の空間を額に見立てて鑑賞する。
竹林の間より大原の里の風情を満喫できる。
紅葉シーズン真っ盛りの今日は、客殿も人で埋まる、出された抹茶をそそくさといただき席を譲る。
実は、この「宝泉院」は、山崎豊子さんの小説「不毛地帯」にも登場。
・・・・・「夕日がかげり、さながら幽玄の世界を眼のあたりにするようであった。
やがて霞のような夕靄が流れ、金色に輝いた竹の葉は紫色に変り、薄墨色の夕闇の中に溶け込むように昏れなずんで行った。」・・・・
70年ほど前に高浜虚子が無住寺の宝泉院を訪れ、「大原や 無住の寺の 五葉の松」と詠んだ。
最後にもう一度透かし紅葉を、「立ち去りがたい」席を立つ。
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