今回訪れたのは東福寺の第三世住持・大明国師(だいみんこくし)の住居跡で、東福寺塔頭の第一位に置かれている龍吟庵です。
渓谷・洗玉澗(せんぎょくかん)に架けられた橋廊・偃月(えんげつ)橋を渡って龍吟庵にいたる。
尚、この偃月橋も重要文化財に指定されていて、通天橋・臥雲橋とともに東福寺三名橋と呼ばれています。
ちなみにこの橋、豊臣秀吉の正室である北政所(きたのまんどころ:ねね)が、いつもこの渓谷を渡って龍吟庵に行くのが困難だ、という事で、慶長八年(1603)に架けられたんだそうな。
橋の中ほどの天井には、確かに「慶長八年」と刻まれた棟札(むなふだ)が
あります。
室町時代に建てられたこけら葺きの方丈(国宝指定)は、現存する方丈建築の中で日本最古といわれています。
南庭(無の庭)は方丈の前庭で、白砂を敷いただけのシンプルな庭になっている。
奥の竹垣が重森三玲を思わせます。
左右の柱間に蔀戸明障子(あかりしょうじ)を設置されている。
柱の面取りが大きいこと、蔀戸があることなどが、古い建築であることを物語っているそうだ。
方丈には「龍吟庵」の扁額があります。
足利義満筆とのこと。
西庭(龍門の庭、清光苑)は龍吟庵の寺号に因んで、龍が海から顔を出して黒雲に乗って昇天する姿を石組みによって表現している。
竹垣には稲妻模様が施されている。
東庭(不離の庭)は大明国師が幼少の頃、熱病にかかって山中に捨てられた時、二頭の犬が国師の身を狼の襲撃から守ったという故事を石組みで表している。
鞍馬の赤石を砕いたものが敷かれている。
龍吟庵 庫裡
龍吟庵 表門
龍吟庵へのアクセス、行き方歩き方
住所;東山区本町15-812
JR・京阪電車「東福寺駅」下車、徒歩約15分
市バス「東福寺」下車、徒歩約15分