城は勝連半島の南の付け根部にある丘陵に位置する。
13世紀-14世紀に茂知附(もちづき)按司(あじ)により築城されたという。
この城の最後の城主が阿麻和利(あまわり)である。
阿麻和利はクーデターを起こしてこの地方の按司となり、琉球の統一を目論んだが1458年に琉球王府によって滅ぼされた。
勝連城の模型。
南城(ヘーグシク)、中間の内、北城(ニシグシク)で構成されている。
北城は石垣で仕切られた一から三の郭が階段状に連なり、一の郭が最も高く標高約98mの丘陵上にある。
駐車場から見た城跡への道。
2000年11月首里城跡などとともに、琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)にも登録されている(登録名称は勝連城跡)。
登録されたグスクの中では最も築城年代が古いグスクとされている。
西原御門のあたりからの城跡。ここは重要な虎口だったろう。
この城跡は山を利用して造られており、城跡入口から急勾配がつづくので、軽装でも良いが注意が必要。
ウタミシガー、沖縄方言で川や湧き水、泉のことを「カー」とか「ガー」と呼びます。
川や池の少ない沖縄では湧き水は大変貴重なもので、大きな城の周辺には必ず「カー」が存在します。
階段を登ってゆくと、標高が上がるにつれて展望が開けてきます。
左手に中城湾の青い海が見えてきました。
三の郭は広々としていて芝生が敷かれています。
ここで目を引くのは一段高くなっている二の郭に上るための階段です。
幅の広い階段が3箇所あります。
15世紀前半、最後の城主阿麻和利は、その人望から民衆に推されてクーデターを起こし、勝連城10代目の城主になったと伝えられている。
そして、1458年に策略を使って首里王府を動かし、忠臣の誉れ高い中城城の護佐丸を滅ぼした後、首里城を攻める計画を立てていたところを首里王府に知られて攻め滅ばされた。
とされているが、実際は「統一間もない首里王府の権力は完全ではなく、各地に有力な按司(豪族)がそれぞれ勢力を持っており、護佐丸や阿麻和利はその中でも最も力のある勢力だった。
そして首里王府の策略によってその2大勢力が滅ぼされた」というのが真相らしい。
あるいは、「護佐丸と阿麻和利は、奄美地方における影響力を競っていたのではないか」とも考えられている。
二の郭には、建物の柱を支える礎石が整然と並んでいます。大柱を支えた大きな礎石と、小柱の礎石が多数見られます。
舎殿跡のうしろ、二の郭の一番奥左側に「ウシヌジガマ」があります。
勝連城の守護神がまつられている御嶽(うたき)です。
まるで船の舳先のような美しい形状をした城壁。
道は石畳になっているがゴツコヅして歩きにくい。
大勢の敵が攻めて来た時の事を想定して、石段を登るほどに先が細くなっている。
一の郭の中央付近には、「玉ノミウジ御嶽」と呼ばれる拝所があります。
写真でははっきりと見えませんがここにある石は、勝連城を守る霊石とされているそうだ。
断崖絶壁の上にそびえる南側の城壁に立つと、まさに自分が宙に浮いているような錯覚を覚えます。
頂上からは半島から太平洋に突き出した海中道路とその先の島々が見える。
一の郭から南を見渡すと眼下に中城湾が広がり、その先の知念岬までが一望できます。
まさに最高の眺めです。
北に目をやると金武湾、その向こうに北部の山々、右手には勝連半島に連なる平安座島・宮城島・伊計島が見えます。
二の郭から一の郭に登る途中の坂道から見下ろすと、二の郭の全景を眺めることができます。
大柱の礎石から見ても、かなり立派な建物があったことがうかがえます。
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勝連城へのアクセス、行き方歩き方
住所:沖縄県うるま市勝連南風原
お問合せ先:うるま市教育委員会文化課 098-978-7245
交通アクセス:沖縄バス・琉球バス、屋慶名線(系統番号27・227・180・61・52番)西原バス停(那覇より約1時間30分)下車、徒歩10分。
那覇空港から車で
高速利用時:那覇IC→沖縄北IC経由で約45分
一般道のみ:国道330号線→国道329号線を利用して約1時間
最寄の沖縄北ICから約15分