日本100名城の一つ。
中城(なかぐすく)城を築いたのは護佐丸である。
護佐丸というのは、首里の中山王が、琉球を統一するのに非常に貢献した武将であり、築城の名手とも呼ばれていたが、その統一後に、勝連城主であった阿麻和利という、陰謀好きの男の讒言にかかって、殺されてしまったという悲劇の人物であり、沖縄の人にとってはおなじみの人物である。
ただし近年の評価では、護佐丸=善玉、阿麻和利=悪玉といった図式は、多分に後世の演劇などの影響を受けており、必ずしも阿麻和利が悪辣な人物であったとは限らないといった解釈もなされている
創始は明らかではないが、14世紀後半ごろ先中城按司(さちなかぐずくあじ)が数世代にわたり南の郭、西の郭、一の郭、二の郭の主要部分を築き上げ、1440年に読谷の座喜味城から移ってきた尚巴志の家臣、護佐丸盛春によって、三の郭、北の郭が増築され現在の形が完成したようだ。
増築されたその部分の城壁は「相方積み」という高度な技法で積み上げられている。また、裏門以外に一の郭の2つの城門がアーチ式門となっていることから、その時同時に殿舎のある一の郭の城門をアーチ式に改築したと考えられる。
中城城の模型。
中城城は、北中城村から中城村にわたる標高167メートルの高台に、東北から南西にほぼ一直線につらなる6つの城郭からなる城で、琉球王国時代に築城家として知られる護佐丸が、勝連半島で勢力を伸ばしていた阿麻和利に対する備えとして、読谷の座喜味城から移されて築いた城だといわれている。
自然の地形を巧みに利用した美しい曲線の城壁に囲まれ、一の郭と二の郭は「布積」、三の郭と西北側の郭は「あいかた積」と呼ばれる手法で築かれており、その築城技術は高く評価されている。
三の郭、後に増築されたため「新城(ミーグスク)」とも呼ばれ、石積み技法の最も進んだ相方積み(亀甲乱積み)によって築かれている。
グスクの石積みには大きく分けて、野面積み、切石積み(布積み、相方積み)があり、中城城跡では、この3種類の石積みを一度に見る事ができる。
幕末に日本を訪れて江戸幕府を震撼させたペリーは、実は本州に来る前に琉球に立ち寄っている。
その際に中城城も訪れており、ペリーの滞在記を見ると「この石垣のラインが非常に見事である」と、中城城の石垣に感動している様子が伺える。
北東に向かって建てられた裏門。
ペリー探検隊一行がエジプト式と評した精巧なアーチ門がひときわ美しい。
護佐丸が井戸を取り込み増築したとされる北の郭。
井戸を取り込む事により、長期の籠城にも耐えられるようにしたとされる。
北の郭にある大井戸(ウフガー)へ降りてみる。
井戸は10m以上降った内部にある。
また、西の郭には「夫婦井戸(ミートゥガー)」と呼ばれる2つの井戸がある。
城郭内に水を確保していることが、この城の特徴である。
二の郭への階段。
中城城跡を含め沖縄のグスクは本土より古い時代から石積技術が発達していました。
その石積の種類は、大きく分けて野面積み、布積み(豆腐積み)、あいかた積み(亀甲乱れ積み)があります。
右奥に見えているのが中城高原ホテル跡の廃墟。
博覧会の開催直前に建設をしていた企業が倒産し、また、沖縄本土復帰に伴い、アクセス道路が文化財保護区域に指定されたことから、建設途中のまま工事が中断し30年以上放置されたままになり、廃墟と化している。
一の郭と二の郭の石積み技法は布積みである。
二の郭の曲線の美しさは一際人目を引く。
石垣の上に立つと西に東シナ海、東に中城湾(太平洋)、さらには洋上の島々まで見渡せる。
城内には首里城を遥拝したり、雨ごいのための御獄など、いたるところに拝所(うがんじゅ)がある。
中城城で最も広い一の郭。
正殿があった。
後に間切番所が建てられ、廃藩置県後は中城村役場に使用されていたが、沖縄戦で焼失した。
正殿跡の発掘現場、個々の石に番号が付けられ管理されている。
世界遺産ともなると大変なようだ。
アーチも再現されようとしている。
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中城城へのアクセス、行き方歩き方
住所:〒901-2314 沖縄県中頭郡北中城村字大城503
旭橋の那覇バスターミナルから30系「泡瀬東線」で約60分「久場」
で下車後、徒歩約15分で着きます。