宇治橋のたもと、ハスの花が咲き、空は青くすみわたり気持ちのいい朝です。
道すがらチロリアンランプを見つけました、かわいい花です。
「アブチロン」(浮釣木(うきつりぼく))は葉の脇から長い花柄を垂れ下がらせて、赤い筒状の萼が目立ち、ランプをぶら下げたような形の色の花を咲かせる。
そのため、流通名をチロリアンランプという。
花は黄色だが、膨らんだ赤い5稜形の萼が目立つ。
雄しべと花柱(雌しべ)は飛び出している。
さわらびの道は源氏物語散策の道」としても親しまれているところ。
コースの途中には源氏物語ミュージアムや宇治十帖ゆかりの古跡などがあります。
木々に囲まれていて、静かな心地よい散策道です。
宇治十帖ゆかりの「早蕨」(さわらび)の古跡
年改まり、宇治の山荘にも春が来た。
今年も山の阿闇梨(あざり)から蕨や土筆(つくし)などが贈られてきた。
中君(なかのきみ)は亡き父君や姉君を偲びつつ
この春はたれにか見せむ亡き人の
かたみにつめる峰の早蕨
と返歌なさった。
二月の上旬、中君は匂宮(におうのみや)の二条院へ迎えられ、行先の不安を感じつつも、幸福な日々が続く。
夕霧左大臣は、娘の六君(ろくのきみ)を匂宮にと思っていたので、失望し、薫君(かおるのきみ)にと、内意を伝えたが、大君(おおいきみ)の面影を追う薫君は、おだやかに辞退した。
花の頃、宇治を思いやる薫君は、二条院に、中君を訪ねては懇ろに語るが、匂宮は二人の仲を、疑い始める。
宇治十帖ゆかりの「総角」(あげまき)の古跡のあたり
大君、中の君の父・八の宮の1周忌が近づいてきてその準備をする場面から「総角」が書き出されます。
姫君たちは仏前に供える名香の飾り紐を作るのです。
法要準備の見舞並びにその支度の手伝いをするために宇治を訪れた薫の君は、几帳の隙間から糸繰り台を垣間見ます。
そして、姫君に代わって法要の願文を薫の君が認めるのですが、その時に、薫の君はさりげなく贈答歌を書いて示すのです。
あげまきに長き契りを結びこめ おなじ所によりもあはなむ
大君は煩わしく思いながらも、返歌を書きます。
ぬきもあへずもろき涙の玉の緒に 長き契りをいかがむすばむ と。
薫の君が詠んだ歌に出てくる「あげまき(総角)」がこの巻の名となった。
宇治駅で燕を見かけた、そろそろ南へ帰る時期ではないですか。
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