皇城表鬼門 比叡山延暦寺 赤山禅院

本尊は陰陽道の祖・泰山府君(赤山明神)、かけ寄せの神として、また、京都の表鬼門にあり、王城鎮守、方除けの神として信仰が厚い。
拝殿屋根に瓦彫の神猿が京都御所を見守っている。

修学院離宮から赤山禅院を目指した、石標に従って道を辿る。

山門、夏を思わせる陽気で汗を拭いながらの参拝だ。

開創は、仁和4年(888年)。
「赤山」の名は、入唐僧円仁に由来する。

円仁は、登州で滞在した赤山法華院に因んだ禅院の建立を発願したが、果たせないままに没した。

その遺言により安慧が、赤山大明神(泰山府君)を勧請して建立したのが、赤山禅院である。
しかし、安慧は貞観10年(868年)に没しており、仁和4年(888年)の創建には疑問が残る。

比叡山延暦寺の千日回峰行においては、そのうち100日の間、比叡山から雲母坂を登降する「赤山苦行」と称する荒行がある。

これは、赤山大明神に対して花を供するために、毎日、比叡山中の行者道に倍する山道を高下するものである。

参道に咲く花が暑気を和ませる。

まず目につくのが、拝殿の屋根上に鎮座している「猿」。
この猿には、深い意味があります。

この猿は比叡山を護っている日吉神社(滋賀県)の神猿といわれ、この場所が都の北東にあたり、表鬼門に位置するため、守護として鎮座しています。

猿は京都御所にある猿ヶ辻の「猿」と向き合っており、都に邪気が入らぬよう護ってくれているそうです。

右手に御幣(ごへい:神道の祭祀に使う細長い木の枝に白い紙を切って挟んだもの)、左手に鈴を持ったなんとも愛嬌のある猿。

京都御所、猿が辻の猿は「京都御所の猿/京都御苑の不思議」で紹介しています。
また、出雲路幸神社にも猿が祭られており、「皇城鬼門除 出雲路幸神社」で紹介しています。

併せてお読みいただければ理解が深まることと思います。

都七福神の福禄寿のお寺としても知られ、また毎月行われる五日講が古くから商人に信仰され「五十払い(ごとばらい)」の起源となるなど、さまざまな信仰を集めています。

数珠は念珠とも呼ばれ、仏前で拝礼する身近な仏具であり、功徳を授かる「お守り」でもあります。

そんな大切なものだけに、念珠が使えなくなってしまった時に普通のごみのように捨てることができない…。

そういった想いから「数珠供養」が始まった。

供養当日は、古くなった念珠を供養しようとたくさんの人が集まります。

本堂の前にある護摩壇(ごまだん)に、持ち主自身が上がり念珠を焚き上げます。
そしてご利益を授かろうと本堂横にある大きな念珠の門をくぐります。

十六羅漢は3列横隊で綺麗に整列しています。

写真は第1列目です。
いつ頃の作品かは分かりませんが,石の状態はお世辞にも良いとは言えず、経年劣化が進み、中には首のない石像もあります。

境内には大きな2つの数珠の形をした門やたくさんの社など、不思議な雰囲気をかもし出す多くの建物や置物があります。

これは赤山禅院の特徴ともいえる、神仏混合の寺院であるためです。
シーサーもそのうちの一つです。

また、祇園放生会にもかかわりがあり、「祇園放生会 [祇園白川・巽橋]で紹介しています。

6月第1日曜日、辰巳大明神。
人間が食している生き物への感謝の意を込めて、放生会が執り行われる。

比叡山の大阿闍梨により奉納される。2000匹の鯉の稚魚(金魚になるときも有)が巽橋の上から白川へと放流される。

併せてお読みいただけましたら幸いです。

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赤山禅院へのアクセス、行き方歩き方

赤山禅院公式サイト

住所:京都市左京区修学院開根坊町18
電話:075-701-5181

叡山電車 修学院下車 徒歩約20分
市バス 修学院離宮道下車 徒歩約20分