九品寺は奈良県御所市楢原にある浄土宗の寺院。
山号は戒那山(かいなさん)。
本尊は阿弥陀如来。
境内や裏山には「千体石仏」と称される多数の石仏がある。
九品寺はサンスクリット語で、その意味は布教でいう上品・中品・下品で、人間の品格をあらわしている。
上品の中にも上中下があって中品や下品にもそれぞれ上中下があります。
全部で九つの品があるので九品と名づけられています。
春は枝垂れ桜、秋には境内西の丘の上一面に曼珠沙華が咲き、その向こうに大和三山が眺められる。
秋も深まればたくさんの石仏の肩に真紅の紅葉が降りかかる。
矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)を従えた不動明王。
不動明王の右(向かって左)に制多迦童子、左(向かって右)に矜羯羅童子を配置するのが普通です。
矜羯羅童子は童顔で、合掌して一心に不動明王を見上げる姿に表わされるものが多く、制多迦童子は対照的に、金剛杵(こんごうしょ)と金剛棒(いずれも武器)を手にしていたずら小僧のように表現されたものが多いのです。
参道の左側にある「十徳園」は平安時代の池泉回遊式の庭園である。
カエデや桜、椿が茂る庭園の中に、小綺麗に刈り込まれたツツジが、毬藻のように手際よく散らしてある。
山門脇には、西国三十三所の御本尊を模した石仏が並んでいます。
この仏さまを拝んで周ると、手軽に巡礼者と同じ功徳が得られるというもの。
慈母地蔵尊像。
揃いの赤い前掛と白い帽子がかわいい。
この寺の創建年代等については不詳であるが、奈良時代の僧行基によって創建されたと伝えられる。
中世には御所城主楢原氏の菩提所であった。
永禄年間(1558年 – 1570年)観誉弘誓によって現在の浄土宗に改められた。
本堂右手の細い道を通った裏山に「千体地蔵尊」がいらっしゃいます。
つづら折れの道にずらりと並ぶ地蔵さん。
現在も出土しており、納骨堂の裏に安置された石仏。
山上から伽藍越しに奈良の街が望まれる。
この寺は境内や本堂の裏山に数多くの石仏があることで有名です。
千体石仏とよばれる石仏群は、寺伝によると 、南北朝時代にこの地を支配していた豪族、楢原氏が南朝方について北朝側と戦ったとき、地元の人たちが味方の身代わりとして奉納したものや、『集落内にあった石仏をある時期、寺に集めた』と記した史書があったという。
寺の話では、『百年ほど前、裏山の地中で見つかったそうでどんな状態で埋まっていたかは不明です。』とのことです。
その数は1600体とも1700体といわれていますが、現在も出土しておりその数は定かではありません。
石仏はどれひとつとして同じお顔はなく、今も、村人の厚い信仰心によって守られています。
お地蔵さんの前の苔むした燈籠。
フクロウ付きの燈籠は、意外と珍しいかもしれませんね。
白洲 正子のエッセイ 「かくれ里」に磐之媛皇后の歌とともに九品寺のことが書かれている。
九品寺へのアクセス、行き方歩き方
住所:奈良県御所市楢原1188
近鉄御所線「近鉄御所駅」より、奈良交通バス葛城ロープウェイ前行き「くじら口」下車、徒歩25分