大阪の難波宮遺構を歩く

大阪歴史博物館の地下1階に難波宮遺構が保存され、ガイドツアーによって無料見学が可能だということはあまり知られていないのではないだろうか。

大阪城天守から見た後期難波宮跡、一段高い部分が大極殿後。
後期難波宮は、朱雀門、朝集殿院、朝堂院、大極殿、内裏跡が前期難波宮の敷地から見つかっている。

前期難波宮の見つかった八角殿は無くなったが、大極殿が見つかっており難波宮跡公園には、一段と高くなった基壇を模して造られている。

大阪歴史博物館のフロアの一部はガラスにより地下遺構が見えるようになっている。

遺跡を完全に覆ってしまうのは気が引ける、遺跡の柱があった位置には●のタイルをはめたその位置を残した。
●タイルは至る所にあり、建物の外にもある。

外で見た円柱は、遺跡の痕を示していたわけだ。

フロアで申し込むとボランティアにより地下の遺構を案内してもらえる。

なぜ博物館に含めて解放しないのかというと、遺跡へ至る道がNHKの局舎内を通るためだ。
そのため見学する人は、NHKの入館証を手渡される。

地下遺構の中に灯籠のように並んでいる円筒の明かりは、建物の柱があった位置を示している。

ガラスの内側には、倉庫跡や塀跡の復元イメージがイラストで示されていた。
倉庫跡の遺構は、万灯籠のような光の列にほんのりと照らし出されて一種独特な幽玄の世界を醸し出している。

孝徳天皇の皇后・間人(はしひと)皇女と中大兄皇子の道ならぬ恋の密会の現場も、あるいはこれらの倉庫の陰だったのかもしれない、と勝手に空想。

画像を拡大して見てほしいのだが、イラストの右下の方に水桶をかつぐ人が描かれている。
これはこの地域に水が少なく内裏西方官衙の西にある谷の中に、湧き水を集める泉施設とそこから北西に延びる石組み溝が築かれていた。
前期難波宮に水を供給した水利施設跡で地下遺構として保存されている。

遺跡の上に建物を建てたのではなく、建物を建てようとしたら見つかってしまったらしい。
工事は停められないので、遺跡はNHKと博物館で共同管理することになった。

しかしそれでも足りず、遺跡の地下も駐車場として活用された。
つまり遺跡は人工物の中に浮いているわけだ。

このような工法で見学を可能にしている施設は日本中でもここだけ。

建築中に難波宮遺構が見つかった当時の写真。
拡大して見ていただけると博物館の前がむき出しのままになっているのが見える。
右側は旧NHK。

大正2年に大阪城の南付近で数個の重圏文(じゅうけんもん)・蓮華文の瓦が発見されていたそうですが、あまり重要視されていなかったようです。

そのため、第2次世界大戦が終わるまでは所在が不明だったのですが、同所付近から鴟尾(しび)が発見されたことがきっかけに、山根徳太郎を指導者とする難波宮址顕彰会の発掘・調査によって、奈良時代の宮の遺構が明らかになったそうです。

そして、一時代古いとみられる柱列跡が検出され、火災の跡であることがわかり686年(朱鳥元)正月「難波の宮室が全焼した」記録から、孝徳朝の宮室が焼失したと推定できたのだそうです。

その後に天武朝の宮室が建造されたことが推測され、聖武天皇時代の「後期難波宮」の大極殿跡の存在が確認されたのだそうです。

昭和3年の航空写真、旧陸軍の施設が並ぶ。

丸印部分が博物館の位置だが、当時は被服工場が建てられており、建物が軽量級であったため、遺跡の破壊がまぬがれたようだ。

丸印は現在博物館のある位置、江戸時代は与力の屋敷が建っていたようだ。
難波宮の遺跡跡は、長期に亘り人々の記憶から消えていた。

江戸時代にはその地に武家屋敷が広がっていた。
その後も大阪の町造りのために破壊され続けた。

戦後は、旧八連隊跡の再開発の場となった。
しかし、1954(昭和29)年になって法円坂一帯の発掘調査により段々とその存在が見えてきた。

前期難波宮が造られた時期は、飛鳥時代のことである。
乙巳の変(いっしのへん・おっしのへん)が645(皇極天皇4)年に発生した後、次の孝徳天皇は難波に遷都した。
これを難波長柄豊崎宮と呼ぶ。

孝徳天皇は、650(白雉元)年より宮殿の造営を開始し652(白雉3)年に完成させた。
宮は皇極天皇時代の飛鳥板蓋宮にならい伝統的な板葺屋根の掘立柱建物であったとされる。

遺構見学ガイド
11:00/12:00/13:00/14:00/15:00/16:00(20分または40分)
受付:1階/各回出発の30分前から
定員:各回先着40名

復元倉庫(古墳時代)の公開
12:30~13:00(30分) ※雨天中止
受付:当館南側の倉庫前に直接集合
定員:なし

大阪歴史博物館へのアクセス、行き方歩き方

大阪歴史博物館公式サイト

住所:大阪市中央区大手前4
TEL:06-6946-5728
谷町線/中央線:谷町4丁目

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