アメリカ合衆国は独立宣言から200年少々という非常に若い国なので民俗学という見地からは見るべきものはない、むしろインディアンに代表されるような伝統文化が語られるべきだろう。
「木彫聖職者殺し」???
カトリックへの改宗を迫られた時代の物か? と思いきや、1979年製作ですから、そんなに古いものではない、何かの故事を語ったものなのかなあ。
とぼけた顔はなにか親しみを感じる。
アメリカの先住民は、文化的特徴などから、インディアンとエスキモー・アレウト(エスキモーとアレウト人)、ヨーロッパから入植した白人男性と先住民女性との間に生まれたメティの3グループに大きく分けられる。
インディアンは白人と比べても、極端なほどの個人主義の文化を持っており、白人や他部族との戦争においても参加は個人の自由に任された。
族長であっても、その役割は部族内の争いを穏便に治める調停者であって命令者では無かったため、他人に何らかの行動を強制することは一切できなかった。
そのため、多くのインディアン部族が一致団結して白人に立ち向かうという事は少なかった。
南北戦争においては、ハニースプリングスの戦いのように、北軍、南軍のいずれも戦力の多数をインディアンおよび黒人が占め、互いに戦った事例もある。
近代以降の文明社会にある人間が忘れがちな自然との調和を重視する精神性に対する評価は、近年のアウトドアやエコロジーのブームにのって見直される例が多くなっていると感じる。
平原インディアン、クロウ族の衣装(男性)。
平原インディアン、クロウ族の衣装(女性)。
かつてのクロウ族は、基本的に男は平原に出てバッファロー狩りをし、女は草の根や木の実などの採集をして暮らした。
周辺部族との交易をしていたクロウ族は平原部族の中では、スー族やシャイアン族などの部族とは違って、白人を敵視しておらず、白人と接触後は白人とも交易するようになる。
白人の毛皮会社が設立された当時は、インディアンと白人の仲買人として活躍して、弓矢や衣類、ペミカンを製作販売し、木のない平原に住む平原部族にはティピーに必要な木材を売ったりと、商才を発揮していた。
こういった展示物から現代人が忘れがちな、自然との調和を重視する考えを持ちたいものと感じる。
旅は続きます。
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