- 「注連縄掛神事」はこんな神事
- 注連縄にわらで3つの大きな房が作られることが特徴です。
- 全員が注連縄の方向に対面した状態で、宮司が「ワッハッハー」と笑い声をあげます。
- これを3セット繰り返して神事は終わり、というのが従来の流れです。
- 近年ではこのあとに「20分間参加者全員で笑う」という行程がくわえられました。
- なぜ笑うのか?
- 現在の主流は冬至と太陽信仰説です。
- 古事記や日本書紀に記されている「天岩戸神話」でその謎は解けます。
- 芸能の女神(アメノウズメ)の神がかったストリップショーによって、八百万の神々はゲラゲラ笑います。自分がいなくて困っているはずなのになぜみんなは笑っているのかと疑問に思ったアマテラスが岩戸をあけます。
- 注連縄の下で高笑いをすることにより、太陽を元気づけて春の到来を誘っているのである」とありこの説を支持しています。
- 枚岡神社ライブ中継
- 大阪府下最大規模 枚岡神社秋郷祭 | きままな旅人
- 電車でのアクセス
「注連縄掛神事」はこんな神事
注連縄掛神事(しめかけしんじ) は、かつては12月25日、近年では12月23日(祝日;天皇誕生日)に東大阪市の枚岡神社でおこなわれる笑い祭りです。
まず、早朝から氏子約20名が集まり、2時間ほどかけて新しい注連縄を編み込みます。
注連縄にわらで3つの大きな房が作られることが特徴です。
古い注連縄を外し、新しい注連縄に掛け替え終わった午前10時頃、烏帽子と装束を着用し笏を手に持った神職が来て、前に神職、後ろに氏子が列をなして並びます。
禰宜(ねぎ)の手によって修祓など一定の手続きを済ませたのち、宮司が総代の列の中央に進み出ます。
全員が注連縄の方向に対面した状態で、宮司が「ワッハッハー」と笑い声をあげます。
これを3セット繰り返して神事は終わり、というのが従来の流れです。
近年ではこのあとに「20分間参加者全員で笑う」という行程がくわえられました。
なぜ笑うのか?
注連縄掛神事でなぜ笑うようになったのでしょうか。
井上正雄氏の『大阪府全志』では「其の起因は明ならざれでも」とされていて、笑いの原因は不明です。
現在考えられる説をいくつか紹介しましょう。
冬至と太陽信仰
現在の主流は冬至と太陽信仰説です。
一年で日照時間が最も短くなる冬至に太古の人々は太陽の復活を願いました。
この説では太陽神の復活を取り戻すものとして人々がおこなったのが笑いだと考えます。
太陽の復活と笑いは一見結びつきそうにありませんが、
古事記や日本書紀に記されている「天岩戸神話」でその謎は解けます。
ご存じだとは思いますが天岩戸神話を簡単に紹介しましょう。
太陽神アマテラスの弟であるスサノオの乱暴狼藉を原因にアマテラスは天岩戸にこもり、世界は真っ暗になります。
智恵の神様(オモイカネ)が知恵をひねり、ある作戦を考えました。
岩戸の前で笑うことによって、アマテラスの興味をひくのです。
芸能の女神(アメノウズメ)の神がかったストリップショーによって、八百万の神々はゲラゲラ笑います。自分がいなくて困っているはずなのになぜみんなは笑っているのかと疑問に思ったアマテラスが岩戸をあけます。
そこに鏡を差し出して「あなたよりすばらしい神がきた」と言ってアマテラス自身を映し、アマテラスが身を乗り出したところを引っ張り出して再び世界に光が戻りました。
アマテラスが二度と岩戸に戻れないよう、フトダマノミコトによって注連縄がかけられます。
枚岡神社の資料『注連縄掛神事とはどんな神事ですか』では「天の岩戸の前で神々が哄笑した神話を彷彿とさせるこの神事は、一日も早い春の訪れと、豊かな実り、草木の成長を念じて行われる。
注連縄の下で高笑いをすることにより、太陽を元気づけて春の到来を誘っているのである」とありこの説を支持しています。
枚岡神社ライブ中継
令和6年12月23日 枚岡神社ライブ中継
枚岡神社は大阪府東部、生駒山地西麓において西面して鎮座する。
後背山上の神津嶽における山岳信仰に始まるとされ、中臣氏の祖の天児屋根命を主祭神とする中臣氏の氏神として知られる。
中臣氏から分かれた藤原氏が氏神として春日大社を創建した際には、祭神4柱のうち2柱として当社の天児屋根命・比売神の分霊が勧請されており、それに由来して「元春日」とも称される。
その後も藤原氏の繁栄に伴って崇敬を高め、平安時代に神階は正一位勲三等の極位に達している。
中世以降は河内国の一宮として崇敬され、明治維新後は近代社格制度では最高位の官幣大社に位置づけられた全国的にも有力な古社である。
本殿は春日大社と同様に春日造4棟からなり、東大阪市指定有形文化財に指定されている。
また多くの祭祀を現在まで継承しており、特殊神事のうちでは粥占神事が大阪府選択無形民俗文化財に選択され、注連縄掛神事が東大阪市指定無形民俗文化財に指定されている。
大阪府下最大規模 枚岡神社秋郷祭 | きままな旅人
大阪府下最大規模 枚岡神社秋郷祭 | きままな旅人
枚岡神社の秋郷祭はもともと、氏子が秋の収穫を神に感謝するお祭りです。
古くから各々の地区から「太鼓台」を奉納するのが習わしで、その風習が現代にまで続いているのです。
太鼓台の宮入れは、まず総数23台の太鼓台が鳥居町の「一の鳥居」に一同に集合するところから始まります。
そして枚岡神社まで約1キロの道のりを堂々と練り歩きます。
道中では、「チョーサジャ、チョーサジャ」とあがる掛け声や、太鼓や鐘の音、そして担ぎ手たちの熱気で盛り上がりは最高潮に。午後2時ごろから出発した行列は、3時頃から神社への宮入れが始まり、夕方頃にすべての太鼓台が神社に揃います。
電車でのアクセス
最寄り駅は枚岡駅です。
大阪駅からはJR環状線で鶴橋駅まで向かい、近鉄電車に乗り換えて各停か区間準急で枚岡駅まで向かいます。
急行は枚岡駅には停まりませんので注意してください。
>