東大寺で1270年以上続く神秘的な祈りの儀式 東大寺修二会2025

奈良県

春を呼ぶ修二会のお松明


お水取りは752年(天平勝宝4年)に東大寺の開山・良弁僧正の高弟・実忠(じっちゅう)が始め、以来一度も途切れることなく続けられています。
修二会という法会の中の一行事。
3月12日深夜に閼加井屋(あかいや)にお水を汲みに行くことからこの通称で呼ばれるようになった。
春を呼ぶ修二会のお松明 東大寺2月堂
目的は、仏の前で罪過を懺悔すること(悔過)であり、2020年現在は3月1日から14日までおこなわれている。

旧暦2月に行われていたため「修二会(しゅにえ)」と呼ばれるが、正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)法要である。

怪談めいた話とは

3月5日と12日の2回過去帳読誦が行われる。
過去帳では聖武天皇以来の東大寺有縁の人々の名前が朗々と読み上げられる。
これには怪談めいた話がある。

鎌倉時代に集慶という僧が過去帳を読み上げていたところ、青い衣を着た女の幽霊が現れ、「など我が名をば過去帳には読み落としたるぞ」と言った。
なぜ私の名前を読まなかったのかと尋ねたのである。

集慶が声をひそめて「青衣の女人(しょうえのにょにん)」と読み上げると女は満足したように消えていった。
いまでも、「青衣の女人」を読み上げるときには声をひそめるのが習わしである。

「香水」は若狭国から10日かけて地下を通って若狭井へ届く


「香水」は若狭国から10日かけて地下を通って若狭井へ届くという伝説があり、福井県小浜市の若狭神宮寺では毎年3月2日に若狭井へ水を送る「お水送り」の神事が行われている。

「お水送り」の神事

春先取り 火と水が織りなす荘厳の世界 お水送り

参拝のポイント
・修二会の期間中、奈良の夜はまだ冷え込むことが多い。厚着をして行くのがおすすめ。

・混雑を避けるなら平日がねらい目。お松明やお水取りが行われる日程は特に混雑するため、早めに訪れるようにしよう。

・神聖な儀式なので、写真などの撮影の際は周囲の人や進行の妨げにならないよう注意が必要。二月堂内では、撮影は禁止。

・事前に東大寺公式HPを確認の上、参拝しよう。

竹送り神事

竹送りの寺 国宝十一面観音を拝む 大御堂観音寺
市内の伝説や昔話を集録し書き残された話の中に「二月堂の竹」があり、戦前までは京田辺市あたりから、たくさんの寄進竹が送りだされていたことがわかりました。
このような由縁もあり、昭和53(1978)年に地域の方が中心となり、約40年ぶりに二月堂竹送りの行事を復活させ、平成23(2011)年で、33回目を迎えます。
京田辺市普賢寺地区の、竹林で切り出した竹を、大御堂観音寺に運び、道中の安全を祈願します。

アクセス

奈良駅からは徒歩20分ほどかかるため、バスでのアクセスがおすすめです。
最寄り駅・バス停・・・東大寺大仏殿・春日大社前(徒歩約5分)