表道から通路を奥へ進むと司馬遼太郎さんが生前に通った「宝持治療院」が見える、その先の通路を通ったところに喫茶美術館がある。
「喫茶美術館」の店内を飾っている絵画はすべて須田剋太(すだこくた)画伯の作品です。
1987年、おこのみやき店「伊古奈」(1975~2010)を増改築した際、かねてから私設美術館の建設を夢みていた先代が、その夢の実現への第一歩として、須田画伯の絵画を伊古奈に飾ることを思いつきました。
画像は須田剋太のパレット。
しかし、油まみれのおこのみやき屋の店内に、ご自分の絵が飾られると知れば、須田画伯も不愉快な想いをされるのではないだろうか? はたして須田画伯は承諾して下さるのだろうか?
不安になった先代夫妻は、以前から近所の縁で何かとお世話になっていた作家の司馬遼太郎さんに仲介をお願いすることにしました。
須田画伯は司馬さんの作品「街道をゆく」の挿絵を長年にわたり担当しておられます。
そのように須田画伯と親しい司馬さんの仲介なら、何とかなると二人は考えたわけです。
もともと司馬さんに仲介役を依頼すること自体が相当に図々しいことなのですが、それでも司馬さんは、快く引き受けて下さいました。
司馬さんの話を聞いた須田画伯は「私の絵をおこのみやき屋に飾りたいとは、どういうことだ」と、すぐに東大阪まで飛んで来られました。
先代夫妻と初めて会った画伯は、二人の熱意を確認し、そして絵を飾ることの承諾だけでなく、「絵は全部あげるから、どんどん飾れるだけ飾りなさい」と、店内の壁に飾りきれないほどの作品を惜しみなく寄贈して下さいました。
そして翌年の88年に、美術館を兼ねた喫茶店「喫茶美術館」が誕生しました。
以前から一度訪問したいと思いながら月日が経ってしまいこの日の訪問になったわけです。
私は「街道をゆく」の大ファンで、当時、須田剋太のあの素朴な挿絵とともに楽しませていただきました。
そして今ここに再びあの懐かしい挿絵にあえて感激です。
巨匠画家(洋画・書)須田剋太と民藝陶芸家(人間国宝)島岡達三の作品世界須田作品(約50作品)の常設展示と島岡作品(食器など)の用の美を楽しめます。
須田剋太は1990年 – 7月14日午後5時28分、兵庫県神戸市北区の社会保険中央病院にて84歳で死去。
司馬遼太郎は1996年(平成8年)2月12日 – 腹部大動脈瘤破裂のため国立大阪病院にて死去。
忌日は生前好きだった菜の花にちなみ「菜の花忌」と呼ばれる。
墓所は京都市東山区。
そして今年は司馬遼太郎生誕100年に当たります。
喫茶美術館で使用しておりますラムネ色の琉球ガラスは、当社の依頼により、琉球ガラス村の職人の方々の手によって復刻された品々です。
営業時間
平日 PM 2:00 PM 6:00
土日 PM 12:00 PM 6:00
(入館とLOはPM5:15まで)
定休日 水曜日
(公休日は営業。また、臨時休業するときがあります)
アクセス
電車をご利用の場合は
近鉄奈良線 「河内小阪駅」から 徒歩13分
「八戸ノ里駅」から 徒歩14分
近鉄大阪線 「長瀬駅」から徒歩15分
「俊徳道駅」から徒歩16分
JRおおさか東線 「俊徳道駅」から 徒歩16分
(JRおおさか東線は新大阪から俊徳道駅まで直通です)
駅からタクシーをご利用の場合は
河内小阪駅・八戸ノ里駅が便利です。
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