いかごの里で糸取り見学

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竹生島、葛籠尾崎を左手に見ながらバスは北國街道を北上する。
竹生島
竹生島は葛籠尾崎(つづらおざき)の南約2kmに位置し、琵琶湖では沖島に次いで大き … 続きを読む →

隠れ里菅浦集落と奥琵琶湖桜並木
琵琶湖の北端は「奥琵琶湖」と呼ばれ、湖岸まで山がせり出しているその地形は、北欧の … 続きを読む →


西野水道(にしのすいどう)

滋賀県指定文化財。

西野水道(にしのずいどう)は、西野の西山という山の麓に、琵琶湖へ向かって貫かれている高さ約2m、幅約1.5m、長さ約250mの排水用の岩穴です。

今から170年前、たびたび洪水に見舞われていた西野地区を、洪水から守るために、充満寺の第11世・恵荘上人の発起により行われた土木事業です。

能登、伊勢から石工を招き、実に6年の歳月と1275両をかけてノミだけで掘り抜かれた手堀りの岩穴です。

清水(しょうず)

大音・西山地区で糸取りが今も続けられている理由の一つに”水“があるとされる。

糸や織りに関する諸作業には多くの良質な水が必要で、水の良し悪しが大いに影響する。

この地区は、賎ケ岳に続く背後の峰々を水源とする湧水が豊富である。

大音も西山も昔からこの湧井戸の水を竹樋によって作業場へ誘導し使ってきた。

湧水は鉄分を含まないため、白く仕上がるとされる。
水で色の出方が違うとされてきた。

これら地区には“清水”と呼ばれる池が多く点在し利用されてきたが、昨今の道路工事などで湧出が止まり今では数カ所残すのみとなった。

大音軍治

「旧家・大音軍治」宅があります。

ここは大音唯一の武家屋敷であり、祖先は賤ヶ岳の戦いで羽柴秀吉軍の武将として仕え果敢な活躍をしたと伝えられています。

江戸時代には柳ケ瀬の関所の奉行を務めた、とあります。

三味線・琴糸の生産地である木之本町大音地区では古くから生糸生産の技術が伝わりました。

近世以降では大規模な工場も設立され、昭和初期には最盛期を迎えました。

近年では衰退してしまいましたが、毎年梅雨の時期になると工房では生糸の生産が行われます。

資料館では糸とりの技術の紹介や道具の展示をしています。

賤ヶ岳 雨の登頂
昨日からの雨はいよいよ激しく、雨具を付けての登頂です。 リフトの真下に群生のシャ … 続きを読む →

余呉湖への径。

余呉湖には湖の琴」という水上勉作の悲しい物語があります。

糸取りは江戸時代から受け継がれてきた。

糸は高品質で知られ、国の選定保存技術でもある。

戦前は七十軒ほどの工房があり、「琴糸の里」として水上勉の小説「湖の琴」(一九六六年)の舞台にもなった。
 
しかし安価なナイロン糸が普及したほか、梅雨時だけの仕事のため、サラリーマン化で担い手の確保が難しくなり衰退していった。

現在、糸取り職人は七人でほとんどが六十代。後継者育成が長年の課題だ。

糸取りは、藁(わら)の箒(ほうき)を繭(まゆ)を下から上へとさすって糸口を辿ります。

その糸の端を25本ぐらいの合わせ、糸によりをかけて生糸にし、後方の”こわく”で巻き取ります。

85度くらいの熱湯が入った釜の中で作業するから、湯気でびっしょりとなるとの事でした。

釜のお湯は昔は炭やガスで一定の温度に保っていましたが、IHクッキングヒーターで沸かしています。

でも、木枠の回転には電力を使わず、昔ながらの足踏みミシンのように足で回転させていました。

その方がいつでも回転速度の調整や停止がしやすいように感じられました。

この生糸を一定の太さに保つように時々糸を足さなければなりません。

この糸を足す作業は熟練を要し、一本の糸を両手で引っ張って、メガネの所に近づけて切って絡ませる。

この作業は一瞬の出来事ですから、眼を凝らして観ていないとわからない。

“糸取りの実演”を訪問された時はぜひこの”匠の技”を肌で感じて観て欲しいと思います。

残念ながら早すぎてお写真では撮れませんでした。

皆さん、蚕一匹の呼び方はご存知ですか?

なんと牛や馬のように1頭、2頭と数えるのだそうです。

大音の糸取りの歴史は古く、平安時代の昌泰二年(899年)、伊香厚行が、伊香具神社境内にある湧水で繭を煮て生糸を作り、都で大変な評判になったと文献に伝えられています。

遅かりし八重桜のトンネル 伊香具神社
伊香具神社(いかぐじんじゃ)は、滋賀県長浜市木之本町大音にある神社。 式内社(名 … 続きを読む →


4代目の佃三恵子さん。

琵琶湖湖北地方の大音(おおと)は、昔から養蚕業や製糸業が盛んでしたが、戦後、化学繊維の普及により衰退し、佃三恵子さんの工房がだけが残りました。

実演等で伝統技術の伝承活動が認められ、2018年秋の褒章に黄綬褒章(おうじゅほうしょう)を受賞しました。

糸取りは、「だるま」と呼ばれる糸取り機で行います。

まず、85度くらいの熱湯が入った釜の中に、水に浸しておいた繭を入れ、稲で作ったお手製の糸箒で、糸口を辿ります。

(事件の糸口をたどる、という慣用句はここから生まれたのでしょうか。)

そこから、約20個分の繭から手繰り寄せた糸を「メガネ」と呼ばれる小さな穴に入れます。

そして上の方の「小車」と呼ばれる滑車までの間に、一本の太い糸になるように腕で摩って糸によりをかけます。

一本の糸に変わると、後方の「こわく」と呼ばれる道具に糸が巻き取られていきます。

その間、糸を出し切った繭を釜から取り除いていきます。

この作業を繰り返し、繰り返し、生糸がつくられていきます。

今は、釜のお湯はIHクッキングヒーターで沸かしていますが、昔は炭、そのあとはガス。

巻き取られた糸は、木ノ本駅側にある「丸三ハシモト株式会社」で邦楽器用の糸に加工されます。

丸三ハシモトさんでは、加工の見学もさせていただけるそうです。

繭一個の糸の長さは、1200~1400m 生糸一本に繭15~16個必要、琴糸一本に繭250個要すとされる。

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