山号は黄檗山、開山は隠元隆琦、本尊は釈迦如来。
日本の近世以前の仏教各派の中では最も遅れて開宗した、
三門 – 延宝6年(1678年)の建立。
三間三戸二重門。
「三間三戸」は門の正面柱間が3間で、3間すべてが通路になっているものを指す(日本の禅宗寺院の三門は一般的には「五間三戸」である)。
開山堂
1663年(寛文3年)の建立された萬福寺開山・隠元隆琦を祀るお堂。
隠元隆琦は、日本における「煎茶道の祖」ともいわれ、普茶料理、隠元豆、西瓜、蓮根、孟宗竹(タケノコ)・木魚なども隠元が日本にもらたしたもの。
天王殿 – 寛文8年(1668年)の建立。
一重入母屋造。
本堂の手前にこのような堂を置くのは中国式の伽藍配置で、日本では珍しい。
内部には弥勒菩薩の化身とされる布袋像を安置する。
この像は日本で著名な半跏思惟形の弥勒菩薩像とは全く異なり、太鼓腹の布袋像として表されている。
他に堂内左右に四天王像、布袋像の背後に韋駄天像を安置する。
これらの像は来日していた明の仏師・范道生の作で、いずれも中国風の様式で造られている。
大雄宝殿-寛文8年(1668年)の建立。
入母屋造。2階建てに見えるが一重裳階(もこし)付きである。
本尊釈迦三尊像(脇侍は阿難と迦葉)、十八羅漢像を安置する。
日本の一般的な寺院の「本堂」「仏殿」にあたる建物である。
建物の前には白砂を敷いた「月台」がある。
本尊釈迦三尊像(脇侍は阿難と迦葉)
祖師堂 – 伽藍堂と対称位置に建ち、中国禅宗の祖である達磨の像と歴代住職の位牌を安置する。
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