紅葉を待ちきれず高桐院へ

京都府

1601年(慶長6)利休七哲の一人細川忠興(三斎)の創建。
紅葉の美しいことで知られる。

大徳寺にある桃山時代建築の重要文化財建造物。
大永6年(1526)、連歌師宗長が初層を寄進し、天正17年(1589)に千利休によって上層が完成し金毛閣という。

本瓦葺の唐様建築で、禅寺三門のうちでは、東福寺の三門に次いで古い。(金毛閣の名は上層部分をさす)内部は常時非公開(外観は常時拝観可)

天下一の茶匠となった利休は、長い間一層のまま放置されていた大徳寺三門を見かねて、楼閣築造費用を寄進をした。

天正17(1589)年、楼閣が築かれたのですが、そのとき、楼上に諸仏とともに利休の木像が納められました。

その姿は、雪駄(せった)履きで杖を付いた立像だったのです。

これに対して、そんな門の下を秀吉や高貴な人を通らせるのか、と秀吉が立腹したというのです。
 
そして天正19年、2月28日、利休は切腹したのです。
生前、利休は助命嘆願など一切しなかったので、それがまた秀吉の怒りを増す結果になったという。

勅使門、大徳寺にある桃山時代建築の重要文化財建造物。

東の総門を入った境内のほぼ中央に建っている
。慶長造営の皇居の南門を移建したものと伝えられる。常時公開

高桐院の参道は美しく長い。
玄関までの長い参道をじっくり楽しみたい。

木漏れ日の中のこの空間、しばらく佇んでしまいます。

この素晴らしい参道、拝観開始の30分前には入ることをお勧め。
この素晴らしい参道を独り占めにするのです。

拝観が始まると、撮影る人がひっきりなしでなかなか前へ進めません。

紅葉に包まれた参道の石畳を歩いて玄関を入ると、奥の中庭が見透かせる。

書院「意北軒」。

聚楽第にあった千利休邸を移したもの。
この壁にはイカ墨を練りこんでいて、雨漏りの滲みも表現。

襖絵は狩野探幽の弟、狩野永眞の筆。

床の「関」の字は、大徳寺開山の大燈国師(宗峰妙超)の筆。

「関(かん)」は、生死の区切りを意味します。

松向軒(しょうこうけん)、書院の西北にある、利休の茶を忠実に継承したといわれる三斎好みの茶室で、豊臣秀吉が催した北野大茶湯の際に影向(ようごう)の松のそばに三斎がつくった茶室「松向庵」を寛永5年(1628年)に移築したものといわれる。

向こうの客畳が二枚と、手前の点前畳は四分の三の大きさの台目畳。
右側に床があって下座床になります。

奥が暗くなって見えにくいですが、躙り口(にじり口)があります。

客殿にある「鳳来」と呼ばれる茶室。

「一鳥啼山更幽」 (一鳥鳴いて、山さらに静かなり)禅語のひとつです。 「鳥」の字が「鳥」の絵になってます。

相対する禅語に「一鳥不啼山更幽」(一鳥啼かざれば山さらに静かなり) というのもあるそうです。

鳥のひと鳴きによって、山の静けさが深まる、
鳥さえも鳴かぬ、深まる山の静けさ。

左側の障子の上には、 桜の透かし彫り。

高桐院の墓所の前にある井戸。
この井戸は「三斎井戸」と呼ばれ、忠興の月命日にはこの井戸から水を汲んで墓所に手向けるそうです。

特にかえでの木が多い南庭を一面に埋めつくす散り紅葉はすばらしい。
もう一度その時期に訪れたいものだ。

庭園の苔とのコントラストもまた美しいものです。

通称「楓の庭」と呼ばれる簡素ながら趣のある庭で、一面の苔地の中に数株の楓のみ植わっている。

高桐院のいいところは庭を散策できるのです。

このような光は午前中のみのもの、早めに訪れたい。

あおいモミジも風情があっていい。

ナンテンもきれいだ

美しい苔に影を落とすモミジの木。

光芒が黄の苔を照らす。

帰りに出会ったお嬢さん、こうしてしばらく紅葉を眺めていた。

そして最後はお気に入りの塀です、とてもいい感じです。


高桐院へのアクセス、行き方歩き方

住所:北区紫野大徳寺町
アクセス:市バス102・205系統「建勲神社前」下車
(大徳寺の中でも北西よりです。今宮神社にわりと近い)
拝観料:400円
拝観時間:9:00~16:30

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