真庭市南部の観光スポットとして映画やテレビのロケでも使用される迎賓館を思わせる明治のモダンな校舎です。
長島茂雄氏の『夢の学校CM』、伊丹十三監督作品の映画『大病人』の一場面などに登場し注目を浴びた。
最近では、『火垂るの墓』、『ALWAYS 三丁目の夕日』およびその続編、『犬神家の一族~誰も知らない金田一耕助~』など、多くの映画やドラマの撮影が行われている。
NHK連続テレビ小説「カーネーション」では、小原糸子が通う岸城尋常小学校のシーンの撮影に使用された。(教室のみ)
1907年(明治40年)に完成した二階建ての木造建築で、玄関と職員室、講堂(2階)からなる中央棟の東西両翼に教室棟が伸びる左右対称型。
中央棟はマンサード屋根に、玄関左右を前面にせり出した上においた破風2つを組み合わせ、さらに正面中央に高瀬舟をかたどった校章の入った丸い屋根窓(ドーマー窓)がある複雑な構成。
明治3年(1870年)に旧久世町内の有志が発起して『明親館』という塾が作られた。
命名は備中聖人の山田方谷で、自ら明親館の額を書き、塾の先生には方谷の門人があたり、生徒数は46人だったそうです。
明治7年(1874年)、栄町の中国銀行久世支店の付近にあった久世代官所御蔵(年貢米倉庫)を校舎として開校。
校名は、『明親館』とつながりをもつ山田方谷が、中国の古典・詩経にあるつぎの一節
『出自幽谷遷于蕎木』
(ゆうこくよりいでてきょうぼくにのぼる(うつる))
から2文字を取って『遷喬』(せんきょう)と名づけた。
ウグイスが深山の暗い谷間から飛び立ち、高い木に移ることに例えて、学問に励み出身立世することと解釈されている。
昭和49年(1974年)、創立百周年記念に建立された校名由来碑
廊下は分厚い松材、戸の板壁は全面無節の杉材と、建築材は選りすぐったものを使用し、軒下の壁を真壁として化粧筋交いを組み込んだり、床下換気孔をくさび型の煉瓦でアーチ型に積むなど、細部にまで多数の建築意匠が施されている。
幅広くゆったりした半らせんのまわり階段。
『ALWAYS 三丁目の夕日』教室での給食時間のシーンの撮影に使われた教室。
訪れる人々を圧倒する講堂の風格。
二重折り上げの洋風格天井、鏡板はすべて無節の檜柾目板。
季節柄、人形展が開かれていた。
Panasonic VIERA のCMに使用された教室内部。
廊下は幅広く分厚い松材。
戸の板壁は全面無節の杉材。
手前右は卒業作品。
職員室。
犬神家の一族~誰も知らない金田一耕助~で所長室のシーンに使用された。
旭川
高瀬舟で木材や大豆、鉄などが運搬された。高瀬舟は初期の頃落合(真庭市落合町)から、その後美作高田(真庭市勝山地区)から岡山城下まで航行し、岡山城下の京橋付近をはじめ、久世、福渡、金川などに船着き場が設けられ、川湊として賑わいをみせた。
篠向城(ささぶきじょう)
篠向城旭川に目木川が合流する地点の東側に聳える標高419mの笹向山山頂に築かれている。
現在、本丸、二の丸、三の丸一帯が無線中継施設によって一部破壊されているものの、全体の遺構は良く残っている。
大庭地区から林道が頂上付近まで通じており、車で登ることができる。
旧遷喬小学校へのアクセス、行き方歩き方
住所:岡山県真庭市鍋屋17-1
TEL:0867-42-7000 (久世エスパス振興財団)
JR久世駅→徒歩10分
米子道久世ICから国道181号経由3.6km6分