小野神社に引き続き小野道風神社を紹介する。
書家であるとともに菓子づくりの神様であることはあまり知られていない。
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小野道風(894~966)は、平安時代中期の書家。
小野篁の孫にあたり、日本三蹟(さんせき)の一人である。
和様の書の創始者ともいわれ、当時の書の第一人者である。
生い茂る竹林の中に続く石段を登りつめたところに、本殿が立っています。
小野篁神社・天皇神社の本殿とともにこの神社の本殿も全国的に珍しい切妻造(きりづまづくり)に向拝を付けた建物です。
建立は小野篁神社とほぼ同じ南北時代で、型式的にもよく似ています。
手鋏(てばさみ)という部分に、大変優秀な唐草彫刻が施されていて、南北朝時代の彫刻を知るうえで貴重な建物になっています。
本殿は国の重要文化財に指定されています。
道風の名は「源氏物語」にも登場、道風の手を「今風」であると褒め、以降の日本における書の手本ともされました。
また道風は、菓子の体型を創造したことにより匠守の称号を賜り、菓子業の功績者に匠、司の称号を授与することを勅許されていたことを知る人は少ない。
菓子の匠、司の免許の授与は現在は絶えているが、老舗の屋号に匠、司が使用されていることは、現在もその名残として受け継がれている。
「道風庭園池」
道風が柳の木に飛付く蛙の姿を見て発奮努力したという話は、有名である。
小野道風神社へのアクセス、行き方歩き方
鎮座地 滋賀県大津市小野
(旧 滋賀郡志賀町小野)
※和邇駅から南約1km徒歩10