大原のひっそりとした山に佇む宝泉院は隣の勝林院の塔中寺院で、かつては修行僧が住む場所であった。
その歴史の中では、無住寺の時も長く、荒れた庭に堂々と五葉の松が立っていたそうだ。
その様子を詩人 高浜虚子は「大原や 無住の寺の 五葉の松」と詠んでいる。
実光院から宝泉院へ向かう途中、勝林院が目の前に飛び込んできます。
これは声明の根本道場として建てられた大原で一番古いお寺なんです。
五葉の松は、樹齢700年を超え、近江富士を型どったという。
周りに珍しい陶板をあしらった炉のある部屋。
静かな語らいの場として親しまれている。
蹲踞の水はまだ冷たそう。
でも空は明るく、三椏(みつまた)の花も蕾を膨らませている。
柱と鴨居で仕切られた開口部が、額縁のように庭園を切り取ったように見える額縁庭園を見ることができます。
「立ち去り難い」という意味の「盤桓園」と称するお庭です。
ぜひ、縁側付近からではなく、座敷奥から庭全体を眺めてみましょう。
少し奥まったこの位置からの眺めは格別で殿様気分です。
拝観料は800円と少し高いかなといったところですが抹茶付なんです。
季節には人が多いのですが、冬のこの時期景色を独り占めです。
連子窓には花一輪。
実は、この「宝泉院」は、山崎豊子さんの小説「不毛地帯」にも登場しています。
・・・・・「夕日がかげり、さながら幽玄の世界を眼のあたりにするようであった。やがて霞のような夕靄が流れ、金色に輝いた竹の葉は紫色に変り、薄墨色の夕闇の中に溶け込むように昏れなずんで行った。」・・・・
江戸中期作。
部屋から格子ごし に観賞する。
池の形が鶴、築山が亀、山茶花の 古木を蓬莱山とみる名園である。
宝泉院へのアクセス、行き方歩き方
住所:京都市左京区大原勝林院町187
電話:075-744-2409
JR京都駅から大原行き京都バス約1時間「大原」下車徒歩約15分、
地下鉄烏丸線国際会館駅から京都バス約20分「大原」下車徒歩約15分