金石城は、文禄・慶長の役の際に築かれた清水山城の麓に位置する平城で、宗氏の居城だった。
金石屋形を、朝鮮通信使を迎えるために、近世城郭に改築したといわれ、石垣や堀切が廻らされたが、天守は築かれず1669年(寛文9年)に宗義真によって造られた大手口の櫓門を天守の代用としていた。
城内の一角には昭和63年(1988年)に台風によって倒壊した桟原城大手門(通称、高麗門)が移築復元されている。
万松院宗家文庫に保存されていた模型を基に、1990年(平成2年)、旧厳原町の “平成の城下町づくり事業”の核として、古写真や模型などに基づき木造によって二重の櫓門が再び復元された。
藩主の屋形・金石城跡の背にそびえる清水山の頂上から町中に向かって稜線上に、断続的に城壁の跡と思われる石塁が遺っている。
延長600㍍、横幅はせまく、頂上部から、一の丸、二の丸、三の丸と通称される「郭」があり、それぞれ展望のきく位置にあるが、特に一の丸は厳原港と府中城下が見渡せる恰好の景観をとらえることができる。
最後の朝鮮通信使は、1811年に渡来しました。
迎える正使は、小笠原藩。副使は脇坂藩でした。
李王家宗伯爵家ご結婚奉祝記念碑、朝鮮国王高宗の娘・徳恵姫が、旧対馬藩主・宗家当主である宗武志伯爵のもとへ嫁いだことを記念し、1931年に島内の朝鮮の人々によって建てられた記念碑。
戦後、李家からの離縁要請や徳恵姫の精神状態の悪化などもあり、両家は離婚し、記念碑自体撤去されていましたが、平成13年に清水丘(旧金石城庭園近く)に復元されました。
享禄元年(1528)の内乱で、「池の屋形」は炎上消失した。
脱出した宗将盛は国分寺に避難し、国分寺の東側は空いていたので、そこに新しい屋形を築きました。
それが「金石屋形」です。
城跡は、国の史跡に指定されており、城内で発掘調査された庭園は国の名勝に指定されている。
旧金石城搦手門櫓台。
万松院山門の手前にあり、橋を渡ると庭園に至る。
金石城庭園の西側は長く続く見事な石垣が残っているが、手入れが悪く草ぼうぼうで見る影も無い。
高麗門の近くまで来るとやっと石垣が姿を現わす。
対馬府中藩は、当初は肥前国内1万石を併せて2万石格であったが幕府は朝鮮との重要な外交窓口として重視し、初代藩主宗義智以来、対馬府中藩を国主10万石格として遇した。
しかし、山がちで平野の少ない対馬では稲作がふるわず、米4,500石、麦15,000石程度の収穫であり、肥前国の飛び地をのぞくと実質的には無高に近く、藩収入は朝鮮との交易によるものであった。
対馬では、作付面積のうち最も多いのは畑で、それに次ぐのは「木庭」とよばれる焼畑であり、検地では「木庭」も百姓持高に加えられた。
また、石高制に代わって「間高制」(けんだか・せい)という特別の生産単位が採用された。
対馬歴史民俗資料館の脇に珠丸爆沈の碑がある。
1945年(昭和20年)10月14日、戦争中の機雷による事故や銃爆撃を奇跡的に逃れていた九州郵船の旅客船「珠丸」が触雷の結果沈没し、545名を超える人命が失われる大事故があった(珠丸事件)。
この日は、連合国軍総司令部による渡航差し止めが解除された日であり、珠丸は対馬経由で釜山港と博多港のあいだを航行中、旧日本軍の敷設した機雷に触れたものである。
対馬歴史民俗資料館の庭に雨森芳洲の碑がある。
長寿院(ちょうじゅいん)の裏山を少し登ると、対馬藩に仕え朝鮮外交に尽力した雨森芳洲の墓があります。
彼は朝鮮語、中国語が堪能でした。
『海游録』にもその名はたびたび登場し、使節に同行しながら、申維翰と丁々発止のやり取りを展開していきます。
申維翰との関係については、“油断はできないが、互いを認め合う外交官同士の付き合い”といったところでしょうか。
芳洲はそれぞれの国の事情や立場を尊重する国際人であり、朝鮮通信使の応接になくてはならない人材でした。
平成2年(1990)、当時来日中の盧泰愚(ノテウ)韓国大統領が、宮中晩餐会の答礼の言葉の中で、朝鮮の玄徳潤(ヒョンドギュン)とともに雨森芳洲の「相互尊重」の外交姿勢を讃えています。
芳洲は「互いに欺かず、争わず、真実をもっての交わり」と方針を説き、朝鮮外交と友好親善に務めたのです。
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金石城へのアクセス、行き方歩き方
長崎県対馬市厳原町今屋敷670-1
0920-52-1566 (対馬観光物産協会)
厳原港から徒歩約16分