奈良で一番早く咲く「氷室神社」のしだれ桜

奈良県

今回、大和路4つの枝垂れ桜めぐりとと題するツアーに参加したのだが、又兵衛桜、大野寺の枝垂れ桜の開花日に合わせた日程を選択したので、当然氷室神社の枝垂れはとっくに散ってしまっています。

奈良時代、春日奥山に造られた氷室(氷の貯蔵庫)に氷の神(闘鶏稲置大山主命・大鷦鷯命・額田大仲彦命)を祀ったのが始まりとされ、のちに現在地に移築されました。

樹齢約100年枝垂れ桜はとっくに散っています。

氷室神社の桜は、実は訪れるタイミングが非常に難しい事でも有名です。
例年、3月20日ごろから見頃を迎え、4月に入るとすでに散ってしまうようです。

「 うらうらに 照れる春日に ひばりあがり 情悲しも ひとりおぼへば 

うららかに照る春の日に ひばりが舞い上がり 心は悲しいことだ 独りで思うと
これは大伴家持の歌です。

家持は万葉集の編纂にかかわった人物ですが、家持の歌が一番多く、479首あります。

この後家持は左遷されます。このとき、久しぶりに都へ帰ってきた家持は権力の交代を眼にし、失望して詠んだ歌だと言われています。

表門を入ると、神域中央に聳えているのが拝殿である。
舞殿を兼ねており、現在も南都流の舞楽を継承する南都晃耀会が例祭などに舞楽を舞っている。

舞楽殿でもある拝殿の鬼瓦は、神社の宝物でもある木造舞楽面・陵王面一面をうつしたもの。

東大寺近辺ではすでに散ってしまった木もあり桜シーズンの終焉を思わせる。

二月堂への参道を少し外れたところだが、訪れる人もまばらで静かな散策が楽しめる。

まるで薄雪でも振ったかのような芝生で行く春のなごりを楽しむ人たち。

氷室神社へのアクセス、行き方歩き方

氷室神社公式サイト

住所:奈良市春日野町1-4
電話:0742-23-7297

近鉄奈良駅から徒歩10分から15分