商売繁盛 生駒の聖天さん

奈良県

宝山寺(ほうざんじ)は、奈良県生駒市門前町にある真言律宗大本山の寺院。生駒聖天(いこましょうてん)とも呼ばれる。
山号は生駒山(いこまさん)。
1678年に湛海律師によって開かれた。

ケーブルカー宝山寺駅を降りて少し歩くと、宝山寺参道の聖天通りに差し掛かる。
ここから石段と旅館が立ち並ぶ独特な風景が続いているが、この場所こそが知る人ぞ知る「宝山寺新地」。

三笠優子の唄にありました。

山と山に囲まれた
ここは大阪奥座敷
別れてしまえば他人でも
思い出します雨の夜は
生駒は哀しい女町

今でも営業は続けられている、よく見れば風俗営業の許可証が貼ってあるのですぐわかる。

ここまでケーブルカー宝山寺駅からおよそ1.5km。

灯籠が並ぶ石畳の参道を進む。

その先で出迎えてくれるのは石造りの「一の鳥居」。
石造りの鳥居としては、国内でも特に背の高いものとして知られている

宝山寺は「生駒聖天」「生駒の聖天さん」と呼ばれ、鎮守神として歓喜天が祀られている。

生駒山は伝承によれば斉明天皇元年(655年)に役行者が開いたとされる修験道場で、空海(弘法大師)も修行したと伝わる。
その当時は都史陀山 大聖無動寺(としださん だいしょうむどうじ)という名であったという。

江戸時代の延宝6年(1678年)に湛海律師が再興し、歓喜天を祀った。
この時が事実上の開山と思われる。

鳥居の前に立って、木々の隙間からのぞき見るまちの景色も味わい深い。

1918年には日本最初のケーブルカー、生駒鋼索鉄道(現、近鉄生駒鋼索線)が敷設されるほどだった。

宝山寺のある霊峰・生駒山には宝山寺以外にも在日韓国人系のシャーマニズム信仰の場(朝鮮寺)が多く集まっている。

組みひもの色彩も鮮やか。

七福神(恵比寿・大黒天・毘沙門天・弁財天・福禄寿・寿老人・布袋)
空ですっと言える人少ないやろな。

本堂前に建つ「天神」。
菅原道真公を祀るものですから、縁のある「牛」が奉納されています。

水掛不動。

本堂前には信念に備えて新しいしめ縄が用意されている。

苔の具合もいい感じ。

聖天堂の奥にある階段下から「文殊堂」を見ると、お堂の奥には文殊菩薩様が。

聖天堂の前には鳥居と狛犬。
その先にはお線香の煙がもうもうと立ち上っています。

線香の煙と塵・・・年代を感じさせる。

聖天堂前に銅製の大きな“巾着(キンチャク)状の袋”があり、側面に2本の大根を交差させた“違い大根”が浮き彫りされている。

また堂の右前には“打ち出の小槌”などの宝物を浮き彫りにした巾着が置かれている。
巾着とは、昔の袋状の銭入れ(財布)。

聖天と巾着あるいは大根の組み合わせはインドではなく、中国あるいは日本ではじまったものという。

聖天が好むとされる“歓喜団”(カンキダン)という菓子と“象の牙”が巾着・大根へ変化したものらしい。

歓喜団はいろんな具を薄皮で包み饅頭のように丸めた一種のお菓子で、その上部をつまんで結んだ姿が昔の巾着に似ていることから、わが国で『巾着』にすり替わったらしい。

一方、この歓喜団を女性の子宮と見る見方もある。
この子宮から女陰が連想され、凶暴な障碍神であるガネーシャに女陰を捧げることで宥めるというわけで、十一面観音が女体と化してガネーシャを回心させたという伝承にも通じる解釈である。

“性は秘め事”とするわが国にあって、聖天に対する解説も綺麗事にすり替えられ、本来はありがたい仏神であるはずの双身歓喜天は秘仏とされ、人目から隠されたのであろう。

本堂の後ろに見える岩壁は「般若窟」。
弥勒菩薩が安置されている。
立ち入ることはできない。

「般若窟は、その昔、役の行者が窟内に梵本の般若経を納められ、その往錫の霊域を訪ね、弘法大師もこの地で修行された霊跡であります。

中興開山湛海律師は、役の行者がこの般若窟を、弥勒浄土の内院になぞらえて修行されたことから、本草弥勒菩薩像を初め、役の行者像などを祀られました。

また、巖頭には雲上閣を建立して、自ら彫刻された虚空蔵菩薩像を安置され、八千枚不動護摩供に並ぶ苦行である、虚空蔵求聞持法を修しておられます。
般若窟の説明文より。

「常楽殿」の前に立って振り向くと、本堂や聖天堂が建ち並ぶ境内の様子を見渡せる。

高台にたつ「多宝塔」。
1957年に作られたもので、湛海律師自作の清らかな愛の成就を祈る愛染明王像を祀っています。

「多宝塔」から「奥の院」へと続く石段は、その両端にお地蔵様がずらりと並ぶ。
石段の途中には、「大師堂」や「子安地蔵」のお堂が。

上を見れば杉をはじめとした背の高い木々。
いかにも山歩きという趣があり、歩を進めるごとに爽快さを感じる。

一つ一つ違うお顔立ちのお地蔵様を、じっくりと拝見しながら歩くのもおもしろい。

両脇の石仏は水子供養のお地蔵さんで,この参道を地蔵坂道と呼ばれるそうだ。

木漏れ日を受けてお地蔵さんが輝いていました、思わず後姿をパチリ!
失礼しました。

鬼瓦もいろいろあり眺めていると楽しい。

クラブツーリズムのお勧めツアーはこちら!

聖天さんへのアクセス、行き方歩き方

生駒の聖天さん公式サイト

奈良県生駒市門前町1-1 
TEL:0743-73-2006

近鉄奈良線「生駒駅」からケーブル宝山寺下車、徒歩10分