日本100名城の一つ。
天正18年の戦いのとき籠城軍の婦女子が多数、落城に当たって断崖から身を投げた秘話が残っている。
歴史をしのぶ城跡として興味深い
本丸跡から見た荒川と寄居町。
鉢形城は、荒川の切り立った崖と、深沢川の深い谷という自然地形を巧みに取り入れ、天然の要害としてその名をはせる戦国の名城です。
落城の時ここから多くの婦女子が身を投げたという。
昭和59年からは寄居町による保存事業が開始された。
現在は鉢形城公園として整備され、鉢形城歴史館が設置されている。
右側の建物が鉢形城歴史館。
歩道と深沢川に架かる橋はよく整備されていますが、景観から、堅城のイメージが浮びます。
城跡内には町天然記念物に指定されているバラ科サクラ属の植物の一種「エドヒガン」が生存している。
このエドヒガンは、一旦伐採され2本幹の株元から12本の芽が成長した珍しいものである。
樹齢は約150年。
高さは18m、枝張りは、東西23.5m/南北21.8mで、根回りは6.5mほどもある。
ソメイヨシノの片親である「エドヒガン」であるが、名前のとおり関東ではソメイヨシノよりやや早めの彼岸のころ満開となり、満開の時期には多くの写真家や画家が訪れる。
「二の曲輪跡」後方は三の曲輪跡。
「二の曲輪跡(柵の後方部分)」
柵の後ろは、広く長い空間になって土塁が築かれている。
右に本曲輪、左に三の曲輪が配置されている。
桜並木の後ろは荒川。
三の曲輪の井戸。
「馬出(うまだし)に架かる模擬木橋と空堀」
「二の曲輪」の城山稲荷神社横と、伝秩父曲輪(三の曲輪)との間にある馬出遺構と推定されている。
三方を堀で囲み、北側は荒川の断崖になる。
石積土塁は、全長約100m、高さは約4mで、上幅約6m、下幅約12mの規模をもち、鉢形城内でも最も良く残っていた。
調査の結果、内側には河原石を3~4段の階段状に積み上げていることが確認され、雁木と呼ばれる階段も造られていた。
裏込石がなく、高さも一段が1m程度で、いわゆる江戸時代の城の石垣とはその規模・技法等において見劣りするが、関東地方の石積技術の有様や石積を専門とする技術者の存在を示す重要な発見となった。
石組み排水溝(於三の曲輪)。
庭園から見た復元された四脚門と土塀。
本丸跡にある田山花袋漢詩碑。
本丸から見た荒川、日暮れが近づいている。
バスの車窓から夕日を眺めながら今日の宿泊地高崎へ向かう。
鉢形城の歴史
1473年(文明5年)6月、山内上杉氏の家宰であり、同家の実権をふるった長尾景信が古河公方足利成氏を攻める途中、戦闘は優位に進めたものの景信自身は五十子において陣没した。
長尾家の家督を継いだのは景信の嫡男長尾景春ではなく弟長尾忠景であり、山内上杉家の当主上杉顕定も景春を登用せず忠景を家宰とした。
長尾景春はこれに怒り、1476年(文明8年)、武蔵国鉢形の地に城を築城し、成氏側に立って顕定に復讐を繰り返すこととなる。
これが鉢形城の始まりである。
1564年(永禄7年) 氏康四男北条氏邦が鉢形城へ入城した。
以後、鉢形城は北条氏の北関東支配の拠点となった。
鉢形城はその後も戦略上の重要性から、各地の戦国大名の攻防の場となっており、1569年(永禄12年)には武田信玄による攻撃を受け、1574年(天正2年)には、上杉謙信が城下に火を放っている。
1590年(天正18年) 豊臣秀吉による小田原征伐がはじまり、鉢形城は前田利家・上杉景勝・島田利正・真田昌幸、徳川家康麾下の浅野長吉、本多忠勝、鳥居元忠 らの連合軍 (35000) に包囲され、北条氏邦の老臣黒澤上野介ら (3000) が約1か月の籠城戦を戦ったのち、開城した。
その後、徳川家康の関東討入にともない、成瀬正一、日下部定好が代官となって周辺の統治を行った。
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鉢形城へのアクセス行き方歩き方
住所:埼玉県大里郡寄居町鉢形2496-2
電話:048-586-0315
JR八高線・秩父鉄道線・東武東上線寄居駅下車、徒歩約20分
東秩父村営バス寄居駅発・和紙の里行き「鉢形城歴史館前」下車、徒歩約10分