江戸中期に行商から大呉服商になり、今の大丸百貨店の礎を築いた天下の豪商・下村彦右衛門。
瀧尾神社(たきおじんじゃ)は、その下村彦右衛門が熱心に参ったことで知られる。
江戸後期の天保年間に完成した現在の社殿も、下村一族の資本によるもの。
2500両(現在価値で5億ほどと考えられる)という、豊富な資金を背景にした再建は「何でも一流を」との考えから。
本殿や拝殿に豪華な彫刻がほどこされているのも、潤沢な資金のおかげだ。
社内には、歴代の大丸百貨店の様子なども奉納されており、大丸百貨店の歴史を知ることもできる。
創建年代は不詳だが、「源平盛衰記」にその名が見える。
天正14(1586)年10月に、豊臣秀吉が方広寺大仏殿を建立したのに伴い、現在地に遷座した。
現在の本殿、拝殿、手水舎、絵馬舎は、下村家(現在の大丸百貨店)の手により、江戸後期の天保10(1839)年〜11年にかけて造立された。
拝殿の天井には全長8mの巨大な龍の姿がある。
無垢材で仕上げられた、木目も麗しい龍は、巨木を何十本も使って作られた大きなもの。
日本一の大きさとも言われている。
木目の位置まで計算し、立体感や躍動感が湧き出るように製作されている。
出来が良かったため、夜な夜な抜け出し、近くを流れる今熊野川まで水を飲みに行くとの話が広がった。
神社側では拝殿の天井に網を取り付けて、龍が自由に動けないようにしたという。
現在は網はなくなっており、拝観も自由。
スリッパに履き替えて拝殿の上に上り、自由に龍の姿を堪能できる。
本殿の正面は霊獣らしき彫刻に守られている。
雲上におり、顔は鳳凰、四足、体にはウロコがあり、鳥のような爪を持つ姿は、何の動物や霊獣を表すのかわかっていない。
少なくとも京奈には、同様の霊獣が描かれた例は無いことから、日本でも1体しか存在しない像だといわれる。
幣殿正面の奥には鳳凰の顔を持ち、ウロコで被われた身体、鳥のような爪のある四本足の霊獣がいますが、何という動物か名前すらわかっていません。
目が入れられた像が多いのは、江戸末期に目を入れる技法が流行したため。
回廊には十二支の姿、水鳥や阿吽の龍、獏、鶴、鳳凰、尾長鳥、霊獣である犀や麒麟の姿も見える。
平成12年に瀧尾神社境内へ一部が移された「三嶋神社」は、うなぎを描いた絵馬を奉納すると安産、子授けに御利益があるといわれ、秋篠宮さまがご参拝になったことでも有名に。
末社
瀧尾天満宮,金刀比羅神社,大丸繁栄稲荷神社,愛宕神社の四末社が鎮座。
陰陽の石本宮(東山区上馬町鎮座)、表鬼門より出土の御神石。
夫婦和合、子授懐妊に霊験有り。
右側が陰石(女石)、左側が陽石(男石)。
御神徳をいだだく為、おさわり下さい。説明書より
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瀧尾神社へのアクセス、行き方歩き方
住所:京都市東山区本町11丁目718
電話:075-531-2551
京阪電車 東福寺下車 徒歩約5分
市バス 東福寺下車 徒歩約2分
JR 東福寺下車 徒歩約5分