近年、鹿等の食害に加え、観光客の踏み荒らし、外来種の増加によるお花畑の花が減少してしまいました。
数年前から植生保護の強化を図り、少しずつ以前の姿を取り戻しつつあります。
画像をクリックして拡大して見れば、花が復活しつつある様子が見れます。
2013年の訪問記雲上の楽園「伊吹山」
滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山地主峰の標高1,377mの山。 滋賀県最高峰の山 … 続きを読む →
伊吹山は新幹線に乗って大阪方面へ向かうと、米原の手前で右手に見える山です。
山の西側が大きく削れています。
伊吹山で石灰岩を掘っていることを知っている人の中には、あんなに自然破壊をして・・・」と言う人もいます。
でも実は白く山肌が露出しているところは元々あった石灰岩の崩壊地で、掘っているところは上部です。
伊吹山は岐阜県春日村と滋賀県伊吹町の境にあって、豪雪地帯であることや、山頂付近の薬草で有名です。
また岐阜県春日村では石灰岩の崩れたものが、再度固結してできた “さざれ石”でも有名です。
滋賀県の北部に位置する伊吹山(標高1377m)は、日本海側と太平洋側の気候が入り交じる気候で、地質が石灰岩質ということもあり多くの動植物が生息しています。
そのような地理的、地質的、気候的な立地条件から北方系要素の植物、多雪型日本海要素の植物、好石灰岩系の植物が見られ、特殊な立地条件から伊吹(イブキ)の名前を冠した植物名が多いのも特色です。
そんな伊吹山でも近年の地球温暖化やニホンジカの食害、人の登山道以外での踏み荒らし等、複合的な要因で伊吹山独特の植生にも変化が起こっています。
外来種や平地植物が繁殖による在来種の減少や絶滅、交配種の増加などにより、お花畑は以前の面影を無くしつつあります。
地元では、地方自治体や民間のボランティアグループの方々が保全のために啓蒙活動や整備作業を続けられています。
以前に比べ花数や種類が減っているとはいえ、やはり近畿の他の山に比べれば圧倒的に多くの花が咲いています。
伊吹山自体、麓と山頂部では、概ね1200mの標高差があるため、麓から3合目、3合目から5合目、5合目から山頂周辺と咲く花も変化します。
イブキタンポポ
山地の日当たりの良い所に生える多年草。
葉は少なく長さ25~35cm内外、花茎は葉と同じかそれより少し長い。
伊吹山特産種のためイブキの名がついた。
本種は近畿地方から中部地方にかけて分布するセイタカタンポポとエゾタンポポの中間種である。
ボタンネコノメソウは岐阜県以西の本州、脊梁地帯から日本海側に分布する。
山間の渓流沿いや水の滴るような斜面などに生育する。
茎の先端には葉と同じ構造の苞があり、中心に向かって黄色になる。
中心部の花は暗い赤褐色で周辺の苞と強いコントラストを示している。
苞は光を反射する構造になっているのか、暗い渓谷の中でひときわ目立つ花である。
ブナ
日本海側ではしばしばブナが優先し純林を形成するが、太平洋側に降りると純林はあまり見られず、ミズナラなど他樹種との混交林を作る。
ショウジョウスゲ(猩猩菅)
低山から高山の草地に生える多年草。
ショウジョウスゲの名は雌小穂(果穂)が赤褐色をしていることからつけられた。
ショウジョウとは体毛が赤褐色をした類人猿のオランウータンを指す。
関連記事