世界遺産 五箇山・菅沼合掌造り集落に「こきりこ踊り」を訪ねる

北陸

菅沼集落には現在12棟の家屋があり、そのうち9棟が合掌造り家屋です。これらの合掌造り家屋は、江戸時代末期(19世紀前期~中期)に建てられたものが2棟、明治時代に建てられたものが6棟、最も新しいものは大正14年(1925)に建てられています。

1995年12月9日にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録され、日本では6件目の世界遺産となった。

途中、東海北陸自動車道ひるがのSAで小休止。
標高約860mに立地し、日本一標高の高い場所にあるサービスエリアです。

眼の前に広がる大日ヶ岳(白山国立公園)

今日は天気も良く、白山を眺めることができました。

かつての白川郷や五箇山では、せまい耕作地が相続によって細分化されることなどを防ぐために、結婚できるのは長男だけだった。

その結果として、一つの住居に家長とその嫡流だけでなく、傍系に当たる親族や使用人たちも多数暮らす形となり、力をあわせて農業や家内工業に精を出したのである。

ただし、屋根裏のうち上層部はせますぎて居住には適さず、あくまでも養蚕などの産業用であった。

屋根は煙出の窓を備えた構造になっている。

塩硝厩

五箇山は加賀藩領となり、塩硝生産が保護されていた。
塩硝は火薬の原料となる硝酸カリウムで、五箇山では雑草と蚕の糞を利用して抽出する培養法が行われていた。

日本古来から、古民家の囲炉裏の下には自然と塩硝は製造されていたが、五箇山では、自然の草(ヨモギ、しし独活、麻殻、稗殻…など)と、蚕の糞などで製造する「培養法」を使って、より多くの塩硝を製造した。

この橋の向こうに加賀藩の流刑小屋がある。

江戸時代には、加賀藩の流刑地とされ、加賀騒動の大槻伝蔵もこの地へ流された。
流刑地である五箇山には当地を流れる庄川に橋を掛けることが許されず、住民はブドウのつるで作った大綱を張り、籠をそれに取り付けて「籠渡し」として行き来した(現在でも残っており、人の代わりに人形が川を越える)。

橋の下を庄川が流れる。

こきりこ祭りは毎年9月25・26日の2日間にわたり、南砺市(旧 平村)上梨(かみなし)の白山宮の祭礼にともなって行われる祭りで、白山宮内で神楽舞や獅子舞、こきりこ節が奉納される。

雪の積もった合掌造りをバックに、伝統衣装を身にまとい踊る姿はリアル日本昔ばなし。
五箇山の集落に民謡『こきりこ節』が響きます。

こきりこ節は、「越の下草」や二十四輩順拝図絵「奇談北国順杖記」などの古文献にも記載される日本の民謡の中でもっとも古い民謡とされる。

大正末期から昭和の初めにかけて始まった電源開発によって、陸の孤島といわれ長い間外界と隔絶されていたこの地も、他地区への人の流出、また交流が始まるとともに完全に忘れさられる危機が訪れた。

1930年(昭和5年)に西条八十(さいじょうやそ)が五箇山へこきりこ節の採譜のために訪れたことがきっかけとなり、1933年(昭和8年)ころより五箇山民謡を採集していた地元小学校校長で郷土民謡研究家であり、のちに越中五箇山筑子唄保存会を設立、初代会長となる高桑敬親が、1951年(昭和26年)上梨地区にて唄を覚えていた「山崎しい」という老母の演唱に採譜し発表したことで不伝承の危機を免れた。

山崎しいは幼少のころ「コッケラコ」という唄を、中屋の太助という爺から教えられたといい、この爺はキセル2本をそれぞれ両手に持ち、指で回して打ち鳴らしながら唄ったという。

合掌造り 村上家は戦国末から江戸始頃の、古い時代の合掌造り建築が改造されず残っている数少ない建物です。

館内では常時、五箇山の歴史や建物の説明をしてくれます。

また予約により中世の様子を残した伝統芸能のコキリコ踊りが鑑賞できます。

囲炉裏には薬草のお茶が煮てあり自由に飲めます。
世界遺産の相倉合掌集落と菅沼合掌集落の中間にあり合掌造りの見学には欠かせない施設です。

日本の伝統芸能である田楽にて使用される楽器を用いるのが特徴で、男性は頭に折烏帽子を被り、直垂(ひたたれ)姿。

女性は頭に立烏帽子を被り、水干(すいかん)、朱袴の白拍子(しらびょうし)姿で、で演奏する。

ささら踊りは手にはびんざさらを持ち、大きく勇壮に踊るもっとも良く知られた男踊り。
衣装は頭に山鳥の羽をつけた綾藺笠(あやいがさ)を被り、直垂(ひたたれ)姿である。

びんざさら(板ざさら)は短冊状にした薄い木の板108枚を紐で繋いだもので、両端の持ち手をつかみ、手首のスナップを利かせ板をぶつけ合い音をだす。

百八つの煩悩を振り払うため板は108枚となっている。
また土産物として、踊りに使用される大きさからミニチュアサイズの物などがあり買い求めることができる。

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合掌造り 村上家へのアクセス、行き方歩き方

住所:富山県南砺市上梨742

電話:0763-66-2711

JR北陸線高岡駅前より五箇山白川郷方面行き上梨バス停前