フォーカスシフト撮影をしてみようと思ったのだ。
解像感を損なわずに、ピントが広い範囲にあった画像が得られる。
昔からパンフォーカスという手法があるが、それとはまた少し意味合いが違う。
いわゆるパンフォーカスとは、手前から奥までピントが合っている状態を言うのだが、広角レンズで、f8から16、ピント位置は手前1/3が基本となる。
対して、フォーカスシフト撮影の場合は三脚を使ってピント位置だけをずらして撮影する。
得られた画像をPCで深度合成することで、解像感を損なわずに、ピントが広い範囲にあった画像が得られるというものだ。
一方、携帯電話に内蔵のカメラやレンズ付きフィルム、ハーフサイズカメラなど安価なカメラでは、ピント合わせ機構を省略した固定焦点レンズつきのカメラがあるが、これは固定された焦点距離の広角レンズを装着して、常にパンフォーカス撮影となるように設計されている。
このような構造のカメラは、主に近距離・中距離でのスナップ撮影を意識して設計されているため、ピント合わせができるカメラと比べると無限遠のピント精度が落ちるものが多い。
ただし、通常は大伸ばししなければピントが外れているように見えることは無い。
これらのカメラの実際のピントは、3メートル前後に合わせられていることが多い。
SNS等での使用にはこれで十分であり、最近では疑似「ぼかし」も見られ、実用上はさして不自由しないようだ。
PCでの深度合成は一般的にはphotoshopを使うようだが私の場合、市川ソフトラボラトリーの SILKYPIX Developer Studio Pro11というソフトを使う
このソフトのすごいのは、RAWのまま合成できる点。
元の写真がRAWなら、合成後もRAW(DNG形式)のまま保存(TIFF 16bitの選択も可)できる。
これは本当にありがたい。
RAWのメリットはいくつかあるが、個人的には「色温度」調整のデリケートさだと思っている。
このソフトのすごい点はまだある。
三脚がない手持ち撮影だとどうしても画角がズレてしまいますが、「手持ち撮影時の位置ずれを補正する」にチェックするだけで、独自の『画像一致点検出技術(特許第4689758)』により、位置を合わせて合成することができるのです!
と、言うことで今回、ニコンのマニュアルに従って三脚を使ったのだが、現像時点ではたと気が付いた、三脚なんていらないのだ。
ほんとに最近のカメラ技術の進歩には感心させられる、三脚を必要とない場面がどんどん増えているのだ。
しかし、全体が写るデメリットとして、主役の被写体が埋もれてしまうため、構図を意識して視線誘導や奥行きを出してあげないと、何が撮りたいか分からない写真になってしまうことだ。
次の画像はついでにピントをずらした写真を合成したものだが、これはさすがに三脚が必要だろう。
だが、フォーカスリングを動かすときいかにカメラの位置をずらさず動かすかに注意してやれば可能かもしれない。
今度、どれぐらいのずれであればOKか試してみよう。
とにかく使うたびに驚かされるソフトだ、よくやらかすことだが、撮影中に人が前を横切ることがあり、その都度撮り直しをしている。
しかし、よく考えてみるとこのソフトには動体除去機能があるのだ、慌てず落ち着いてもう一枚撮影しておいて後で現像時に除去すればいいだけのこと、習性とは恐ろしい。
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