2011年9月の記事ですが誤って消去してしまったものを今回再掲載したものです。
記事の内容は当時のままです違いがあればご容赦願います。
嵯峨野は一面の秋の花も枯れ枯れて、松風に楽の音がかすかに聞こえてくる。
野々宮からである。
近づくにつれてはかなき小柴垣、黒木の鳥居が神々しく、闇の中に浄火がちらちらと燃えて、恋ゆえの訪問はまことに憚り多き斎垣(いがき)の中。
ここに自分のためにしめじめと物思いを尽くす人が隠れ住むのかと思うと、御息所のことが痛ましく悲しい・・・・・・・
源氏物語「賢木」の巻
野宮はその昔、天皇の代理で伊勢神宮にお仕えする斎王(皇女、女王の中から選ばれます)が伊勢へ行かれる前に身を清められたところです。
嵯峨野の清らかな場所を選んで建てられた野宮は、黒木鳥居と小柴垣に囲まれた聖地でした。
その様子は源氏物語「賢木の巻」に美しく描写されています。
野宮の場所は天皇の御即位毎に定められ、現在の場所が使用されたのは平安時代のはじめ嵯峨天皇皇女仁子内親王が最初とされています。
斎王制度は後醍醐天皇の時に南北朝の戦乱で廃絶しました。
その後は神社として存続し、勅祭が執行されていましたが、時代の混乱の中で衰退していきました。
中央の本殿には、健康と知恵授けの神・野宮大神(天照大神)、境内右手の奥には、子宝、安産、商売繁盛の神・白福稲荷大明神、財運と芸能の神・白峰弁財天をまつる。
野宮大黒天は縁結びの神で、横の神石「お亀石」をさすると、願い事が叶うといわれる。
境内左手の井戸にまつられた龍神は、病気で苦しむ人の救いの神。
多種多様な神々からの御利益を授かりに訪れたい。
境内には苔を用いた美しい庭園として有名な「野宮じゅうたん苔」がある。
また、源氏物語「賢木」の巻にも現れ、謡曲「野宮」の題材ともなっている。
斎宮行列は、平安京から伊勢神宮まで向う斎宮(斎王)の行列を再現したものです。
斎宮(斎王)とは、伊勢神宮で祭祀を奉仕した未婚の内親王です。
斎宮行列の予定は、野宮神社(12時出発予定)⇒JR嵯峨嵐山駅前(12時30分ごろ)⇒天龍寺前⇒渡月橋⇒中之島公園(13時20分ごろ)⇒渡月橋⇒通船北乗船場近くの禊会場(14時到着予定)。
到着後、禊会場で禊の儀、雅楽奉納が行われる。
また、斎宮行列前日には、禊会場で14時から前日祭(嵯峨大念仏狂言や演奏会)が行われる。
10月第3日曜日
開催時間 12時~
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