安井金毘羅宮にお詣りすれば、酒・たばこ・ギャンブルから男女の悪縁に至るまであらゆる断ち物に成功するという。
こうした縁切り・物断という珍しい後利益の由来は、実は祭神崇徳上皇のパワーから生じている。
本殿/中央に崇徳天皇が祀られている
主祭神の崇徳天皇が、讃岐の金刀比羅宮でいっさいの欲を断ち切って参籠(おこもり)されたことから、当宮は断ち物の祈願所として信仰されてきました。
また、戦によって心ならずも寵妃烏丸殿とお別れにならざるを得なかった、崇徳帝の悲しみのお気持ちは、幸せな男女のえにしを妨げる全ての悪縁を絶ちきって下さいます。(安井金毘羅宮HPより)
10月10日の大祭には保元の乱の際、崇徳上皇に味方した七人の武士を偲んで、稚児の小武者行列が町内を練り歩く。
絵馬の道碑
安井金比羅宮から北へ100mほどのところにある「崇徳天皇御廟」
崇徳上皇の死後、都では疫病の流行や大火、ついには源義朝(保元の乱で後白河側に付いた)などの死がが相次ぎ、人々は崇徳上皇の呪いだとささやき始める。
朝廷も怨霊を鎮めようと、死後3年目に「崇徳院」の諡号を贈っている。
また、悲嘆にくれた阿波内侍は、崇徳院を弔うため館を寺に改築して願勝寺としたが、都では憚る(はばかる)ところが多く母の生国である阿波に寺を移した。
その寺は現存する徳島県美馬市にある枯山水庭園で有名な宝壷山・願勝寺である
その後、阿波内侍は剃髪して名を仏種尼と改め、密かに観勝寺境内に廟を造ったとされる。
安井金比羅宮の北に土塀に囲われた「崇徳天皇御廟」の石柱が立つ一画(観勝寺御影堂の跡)がある。
この崇徳天皇御廟の背後(西側)が祇園甲部歌舞練場で、その裏庭に阿波内侍の供養のために建てられたと伝える、小さい五輪塔があるとされるが五輪塔の確認はできていない。
様々なお願い事を書いた形代(かたしろ、身代わりのおふだ)が張ってあって、碑が見えないほどです。
高さ1.5メートル、幅3メートルの巨石で、中央の亀裂を通して神様のお力が下の円形の穴に注がれています。
「○○君と幸せに結婚できますように」という可愛いお願い事から、「夫と浮気相手との縁を切って下さい」といった事まで、様々なお願い事を書いた形代(かたしろ、身代わりのおふだ)が張ってあって、碑が見えないほどです。
まず、形代に願い事を書いて、碑の表から裏へ穴を通って悪縁を切り、
裏から表へ通って良縁を結びます。
最後に形代を碑に貼って祈願します。
縁切り・縁結び両用のご利益をうたっているけれども、むろん悪縁・物断ち祈願のほうに重点が置かれている。
有名なのが「男断ち」の絵馬である。
境内には男女の縁、酒、たばこ、賭け事などから縁を切りたいと祈願する絵馬がたくさんかかっている。
そうした絵馬はあまり見るべきものはないのだろうが、境内の一角にある絵馬館の絵馬はじっくりと観察できて興味深い。
著名な画家や文人の納めた絵馬とともに有名なのが「男断ち」の絵馬である。
この絵馬には「わたし儀、これまで男さんを持って困りました故、のたび心をあいあらため、男さん一切お断り・・・・・ただし三か年の事」と決意?のほどが記されている。
奉納したのは54歳の女性、明治22年とある。
安井金毘羅宮への行き方・歩き方
住所:京都府京都市東山区東大路松原上ル下弁天町
電話番号:075-561-5127
拝観時間/営業時間:10:00-16:00
拝観料・料金:境内拝観自由
JR新幹線・東海道本線京都駅から
市バス206系統北大路バスターミナル行、東山安井下車、南へ徒歩1分
京阪本線四条駅・阪急京都線河原町駅から
市バス207系統九条車庫行、東山安井下車、南へ徒歩1分
または四条通を東へ徒歩15分、東大路通を南へ徒歩10分