日本100名城の一つ。
利家や景勝は松井田城、鉢形城など北条方の要衝を撃破し関東へ駒を進めたが、秀吉より「手ぬるい」と叱責され、続く八王子城攻めは攻撃・殲滅戦へ戦略を変更。
八王子城は城主北条氏照が小田原に詰めていたため、わずかの兵と領民ら千人が籠るのみだった。
広大な山城を守るにはあまりに少ない。
前田・上杉勢は先を争うように城を総攻撃。
秀吉にこれ以上の失態は見せられなかったのだ。
北国勢の猛攻で城は一日で陥落。
狩野一庵らは自刃し、多くの婦女子も自害するという悲惨な幕切れとなった。
この落城劇は後に北条氏が小田原降伏開城を決意する契機となった。
山麓の曲輪から攻められたのは状況的に確実であり、まず「近藤曲輪」「山下曲輪」が猛攻にあい、近藤出羽守、金子家重ら多くの城兵が先陣であった大道寺隊に討たれ、首級は250を数えた(『桑都日記』)。
渇水期で水の無い御主殿の滝。
落城時に御主殿にいた北条方の婦女子や武将らが滝の上流で自刃し、次々と身を投じたと言われている。
また戦によって城山川の水が三日三晩血に染まり、麓の村では、この城山川の水で米を炊けば赤く米が染まるほどであったと伝えられる。
これが起因して先祖供養にあずきの汁で米を炊いた「あかまんま」(即ち赤飯)を炊いて供養をする風習が現在でも続いている。
八王子城跡の心霊スポットとされる中心地だ。
女や武士の姿、生首の目撃があとを絶たず、甲冑の音やすすり泣く声も聞こえることがあるという。
曳橋(ひきはし)
古道から御主殿へわたるために城山川に架けられた橋。
ただ現在の橋は、当時の道筋を再現するために現在の建築技術で当時の雰囲気を考えて架けられたもの。
実際の構造は、敵の侵入時に板を外したり、橋桁ごとスライドする大がかりなもの(八王子城管理事務所内所蔵)まで、諸説がある。
御主殿側の橋台の位置は、実際より5mほど東側にずれており、そのため御主殿側に不要な石段の段差が出来ている。
橋台の西側の石垣は、林道整備のため削られ移築されている。
虎口
石垣や石畳は当時のものをそのまま利用し、できるだけ忠実に復元されている。
御主殿入口の冠木門(かぶきもん)は、当時の門をイメージし復元。
御主殿跡
落城後は徳川氏の直轄領、明治以降は国有林であったため、落城当時のままの状態で保存されていた。
発掘調査の結果、礎石を沢山つかった建物の跡や水路の跡、多数の遺物が出土した。
なお礎石は土砂で被われ表面は芝生となっているが、今でも当時のまま残っている。
八王子城は標高445m(比高約240m)の深沢山(現在の城山)に築城されており、典型的な中世山城である。
周辺にはいくつもの砦を配し、それらを結ぶ連絡道の要所には、深い堀切や竪堀、兵舎を建てるための曲輪などが造成されていた。
特に、居館地区の南側尾根にある太鼓曲輪は、5つの深い堀切で区切られ、南側を石垣で固めるなど、容易に尾根を越えられない構造となっていた。
城全体が余りに広大であったため、落城時には未完成であったと言う説もある。
八王子の地名の起源になった八王子神社。
今から約1100年前、華厳菩薩妙行とういお坊さんが、ここで修行をしていると牛頭天王と八人の王子が現れた。
その因縁でこの場所に八王子権現を祀ったと言われています。
傍らには天狗の像が、なぜか目の色が異様。
松木曲輪跡(展望スペース)
八王子神社の奥に位置し、中の丸とも二の丸とも呼ばれていた。
中山勘解由家範が守備していた。
前田利家軍を相手に奮闘したが、多勢に無勢で防ぎ切れなかった。
登頂ルートからは都内がよく見えるが、遥か遠方にスカイツリーの見えるスポットがあった。
最初に山の下部にある御主殿跡を巡り、後に登頂にかかったがルートはかなりの傾斜で息が切れた。
本丸跡(城山山頂)
城の中心で最も重要な曲輪。
頂上の平地部は10メートル四方程度の広さが残っている。
山頂付近にはいくつか井戸が確認されている。
南側斜面にある坎井(かんせい)という井戸は、水質検査にも合格するレベルであるが、飲用としての厳密な管理はされていない。
バスの駐車場の近くにある八王子城跡ガイダンス施設。
外観は「八王子」の「八」をイメージした八角形をしているのが特徴。
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八王子城跡へのアクセス、行き方歩き方
住所:東京都八王子市元八王子町・下恩方町・西寺方
電話:042-620-7265(八王子市教育委員会文化財課
JR高尾駅北口1番バス停より、西東京バス「高尾の森わくわくビレッジ」「宝生寺団地」「恩方車庫」「大久保」「陣馬高原下」「グリーンタウン高尾」「美山町」行きで、バス停「霊園前」下車、徒歩約15分。
土・日・祝日のみ、JR高尾駅北口1番バス停より、「八王子城跡」行が運行されます。