雨宝院(うほういん)は、弘法大師空海開基のお寺で別名西陣聖天宮とも呼ばれています。
せまい境内に密集して、御衣黄桜・歓喜桜・観音桜・松月桜などが咲く隠れた桜の名所です。
京都市内の真ん中の非常にわかりにくい場所にあって、いざ雨宝院を目指してみると、道に迷って同じところぐるぐるまわってしまいます。
さすがにこの時期、桜はすでに散っています。
お寺があまり広くないためか、桜が散ると境内はピンク色に染まります。
咲いている時も美しいけど、散っても美しい。
今日の目的は、御衣黄桜(ぎょいこう)と呼ばれる上品な黄緑色の花を咲かせる桜(例年4月中旬頃咲きます)。
遅咲きの桜・御衣黄桜ですが、花が緑のとても珍しい桜で、落ちる前に花弁が紅くなり、房ごと落ちます。
花弁数は10から15程度の八重咲きで、花弁は肉厚で外側に反り返る。
色は白色から淡緑色。
中心部に紅色の条線があり、開花時には目立たないが、次第に中心部から赤みが増してきて(紅変)、散る頃にはかなり赤くなる。
今日はあいにくの雨、花びらが雨に打たれてかわいそう。
江戸時代に、京都の仁和寺で栽培されたのがはじまりと言われている。
「御衣黄」という名前は江戸時代中期から見られ、その由来は貴族の衣服の萌黄色に近いため。
古くは「黄桜」「浅葱桜(浅黄桜)」などとも呼ばれていたが、それがギョイコウなのかそれともウコンを指すものなのかはっきりしない。
江戸時代にシーボルトが持ち帰った標本が現存している。
雨宝院へのアクセス、行き方歩き方
住所:京都市上京区智恵光院通上立売上ル聖天町9-3
電話:075-441-8678
▼京阪電車「三条」駅下車 →市バス 59系統「今出川浄福寺」下車 徒歩約5分
▼JR「京都」駅下車 →市バス 206系統「千本上立売」下車 徒歩約5分