空から謡(うたい)が降ってくる ひがし茶屋街

北陸

ひがし茶屋街は石畳の道の両側に紅殻格子のお茶屋が並んでおり、江戸時代の雰囲気を残しており重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。

懐華樓は180年以上前の茶屋を修復した建物で、朱塗りの階段や草木染めの畳など現代的な要素もとりいれ、当時のあでやかな風情と雰囲気を演出しています。

玄関を入るとすぐに目につくのが朱塗りの階段。

この朱色は、石川県の伝統工芸、輪島塗。
ただ赤いだけじゃありません。

弁柄を塗りこんだ壁がきれいな朱の部屋。

赤い壁の部屋は、「朱の間」と呼ばれていて、主に商人のお客様をもてなすのに使われていたのだそうです。
朱の間は、壁に合わせて畳も紅花染めになっています。

赤い壁が華やかで、ピンクの畳のへり。

ぼんぼりに鼓、加賀友禅の掛け物が華やかなお座敷に一層の彩りを添えています。。

床の間の花も格子の灯りもいい。

天井には年代を感じさせる照明。

鴬張りの廊下、客が何か用事があった時、廊下に出た時、この音は下に待機している女将の元に届き、お客さんの元へ御用聞きに二階へと上がります。
今でいう呼び鈴の役目かな。

市松の間、朱の間と群青の間のお客さん同士の会話が聞こえないようにとの配慮から設けられた部屋。
何にも使用しない贅沢な空間です。

普通は畳のへりは踏んではいけないものですが、ここの畳のへりは「卍」を表しているので、へりを踏んで様々な穢れを浄化するのだそうです。

奥の方の通り沿いの部屋は、壁の色が青。
こちらは「群青の間」と呼ばれていて、主に武家のお客様をもてなすための部屋だったそうです。

朱の間に比べると、ずっと落ち着いて端正な印象。
狩野派の屏風があったり、襖に百人一首が描かれていたりして、なんだかインテリチック。

窓から眺める茶屋街の通りも風情があります。

狩野派の屏風があり、襖には百人一首が描かれている。

群青の間の窓から眺める茶屋街の通りも風情があります。

反対側は卯辰山です。

この向こうは離れ控室。

壁に掛けてあった写真です。

芸妓の離れ控え室、畳はよもぎ染。

部屋の天井はヘギ板張り。

渡り廊下の二回からのぞく、左が控室、右か朱の間。

表の階段から下りる方はあまりいらっしゃいません。
なぜなら裏階段が・・・

一階に降りたら「金箔畳の茶室」に行ってみます。
その名の通り、畳が金色の茶室です。
この畳は、水引に金箔を巻いて、それをイグサの代わりに使って作ってあるのだそうです。

携帯の待ち受け画面に使うと金がたまるとか・・・・

一階へ降りて卯辰山を望む。

反対側の景観、金沢は「空から謡(うたい)が降ってくる」と言われるほどの町。
そんな風情が一番残っている町です。

東茶屋街はそのうちでも最大規模を誇り、現在でも8件が営業していて、芸子さんや芸者さんが20名ほどいるそうです。

ひがし茶屋街の周辺を散策すると、経田屋米穀店や高木味噌商店など昔ながらの古い町屋のお店などがあったり謡や和楽器の練習の音が聞こえる事もあり周ってみる価値はあります。

街路に面して、一階に出格子を構え、二階の建ちを高くして座敷を設ける「茶屋建築」が連なっています。

露地には風情のある建物も残る。

卯辰山山麓を流れる浅野川の川岸には、今でもキムスコ(木虫籠)と呼ばれる美しい出格子がある古い街並みが残り、昔の面影をとどめています。

灯ともし頃にもなれば、今でも軒灯がともる茶屋から三味線や太鼓の音がこぼれてきます。五木寛之著「朱鷺の墓」の舞台としても知られています。

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