飛行神社は飛行機の神饒速日命と航空事故の犠牲者などを祀る日本で最初に飛行原理を研究した二宮忠八が創建した。
二宮忠八は1891年(明治24年)に日本で初めて動力つき模型飛行実験に成功したものの、人を乗せることができる飛行機をライト兄弟が実現したことを知り、飛行機開発から離れる。
しかし、飛行機発明以来、航空事故が多発するようになったことに心を痛めた忠八は、事故犠牲者の慰霊が飛行機開発に携わった者としての責任だと感じ、私財を投じて犠牲者の霊を祀る神社を1915年(大正4年)に創建した。
鳥居は航空機に使われることの多いジュラルミンで出来ている。
飛行神社の真っ正面の、ショウウインドウというか、巨大なガラスケースに据えられているのは1960年代に西側諸国の主力機で日米初の実用超音速戦闘機だったロッキードF104『スターファイター(日本名:栄光)』のエンジン。
鳥居をくぐる短い階段を上がると、一目でプロペラと判るそれは醜く萎えたように曲がり、その後ろにはいびつに破損したエンジンが部分的に残っている小さなモニュメントがしつらえてある。
海中に墜落した零式艦上戦闘機…通称『零戦(ぜろせん)』のものとある。
添えられたパネルによると、底引き網にかかって岸和田漁港に引上げられたとあるから、大阪空襲の際に防空迎撃のために空へ駆け上がって戦ったものの力尽きて撃墜されたのかも知れない。
一方、近くにもうひとつプロペラがあるが、こちらは平和になった空を駆け、無事に役目を終えて寄贈されたものである。
拝殿はギリシャ神殿風。
本殿中央に饒速日命、右に航空殉難者の霊・航空業功績者、左に薬祖神・金毘羅・白龍神を祀る。
二宮忠八氏の偉業を称える碑。
末社、常盤稲荷神社。
飛行神社へのアクセス、行き方歩き方
住所:京都府八幡市八幡土井44
電話:075-982-2329
京阪電鉄「八幡市駅」 徒歩4分