京都盆地の北に位置し、豊かな自然環境を残す鞍馬山の南斜面に位置する。
鞍馬は牛若丸(源義経)が修行をした地として著名であり、能の『鞍馬天狗』でも知られる。
なかでも、ここ鞍馬山の「大天狗」は【僧正坊】と呼ばれ日本各地の天狗様の「総元締め」として、また僧正が谷は総本山ともいえる場所として語り継がれています。
叡山電車鞍馬駅前では大きな天狗が出迎え。
天狗は古くから「山岳信仰」とかかわりがあり、修験者が守護神として祀っていたが、中世以降山伏の堕落もあり天狗を妖怪な「魔物」とみなす風習もうまれるなど、時代ともに姿やイメージも変遷してきました。
義経こと幼名「牛若丸」の父は義朝、母の常磐御前が平清盛に身を任せる
引き替えにその命を永らえ、七歳の時に鞍馬寺の覚日阿闍梨の弟子となり、昼間は東光坊で学業に励み夜が更けると僧正ガ谷で天狗に兵法、剣術を習ったと云います。
写真は時代祭の常盤御前(右側笠を持つ人)、義経は常盤御前の懐にいます。
御存じ五条大橋、義経と弁慶像。
叡山電鉄鞍馬駅から降りたってしばらく歩くと、左手に現れるのがここが鞍馬寺山門です。
拝観料は無料だが愛山費として200円を払う。
山門をくぐるとご覧の看板が。
清少納言も、”近うて遠きもの、くらまのつづらおりといふ道” (「枕草子」) と評した、鞍馬寺の表参道です。
魔王の滝
崖の上に護法魔王尊が祀ってある。
この一帯を護法魔王尊の聖域・護法境と呼んでいる。
鬼一法眼社(きいちほうがんしゃ)
鬼一法眼は牛若丸に「六韜三略」(りくとう・さんりゃく)の兵法を授けた武芸の達人と言われる。
武道の上達を祈願する人も多い。
由岐神社(ゆきじんじゃ)は、鞍馬寺の鎮守社である。
通称靫明神(ゆきみょうじん)。
大己貴命と少彦名命を主祭神として「由岐大明神」と総称し、八所大明神を相殿に祀る。
鞍馬の火祭(10月22日)は由岐神社の祭礼。
鞍馬寺主催ではない。
樹齢800年の由岐神社大杉。
鞍馬寺 川上地蔵堂
遮那王と称した牛若丸(義経公)の守り本尊である地蔵尊がまつられており、牛若丸は日々修行のときにこの地蔵に参拝したといわれる。
義経公供養塔
当時10院9坊あった鞍馬寺の坊舎の一つだった東光坊跡。
牛若丸は遮那王と呼ばれ、ここで7歳から10年間、仏法修行に励んだ。
伝説では、夜な夜な東光坊を抜け出した牛若丸は、父の敵を討つべく奥の院で兵法修行に励んでいたとされる。
中門はもともと山麓の仁王門の横にあって、勅使門(ちょくしもん)または四脚門(しきゃくもん)と呼ばれており、朝廷の勅使の通る門でした。
この中門をくぐると、本殿金堂までは石段と敷石の道になります。
大正天皇の皇后貞明皇后御休憩所跡
大正13年に鞍馬寺へ行啓された貞明皇后さまが、九十九折の坂をお登りになる途中、しばらくお休みになったところ。
石英閃緑岩(鞍馬石)
高さ6mのこの石垣は、鞍馬石で、花背峠(はなせとうげ)近辺や百井(ももい)の別れに近い山中から算出する、約1億年前に地下の深所で丹波帯の堆積岩中にマグマが貫入してできたもの。
この階段を登りきったところが本殿金堂。
本殿金堂。
三尊尊天(千手観世音菩薩、毘沙門天王、護法魔王尊)をまつる鞍馬寺の本殿。
本坊金剛寿命院は、鞍馬寺寺事務所や鞍馬弘教宗務本庁が置かれています。
玄関前の”瑞風庭(ずいふうてい)”は、奥の院に護法魔王尊が降臨する様子を表現しているそうです。
与謝野鉄幹・与謝野晶子歌碑
金堂前の広場から奥の院参道の方へ入り、本格的な山道になる手前のところ。
奥の院参道の入り口前には、東京にあった与謝野晶子の書斎(冬柏亭)が移築されているのだが、そのすぐ近くにある。
「何となく君にまたるるここちして いでし花野の夕月夜かな」晶子
本殿近くにある霊宝殿には国宝の毘沙門天三尊像や、鞍馬山の自然遺産(自然科学博物苑展示室)、歌人与謝野晶子の遺品などが展示されている。
いよいよここから奥の院への道に踏み込みます。
息つぎの水
牛若丸が東光坊から奥の院へ兵法の修行に通う途中、この清水を汲んで喉の渇きを潤したと伝えられている。
背比べ石
奥州に下る牛若丸が名残を惜しんで背を比べたと言われる石。
僧正ガ谷不動堂
杉の大樹がそびえ立ち、森厳に気が満ちていて、このあたりは僧正ガ谷、謡曲「鞍馬天狗」の舞台として有名で、鞍馬天狗が牛若丸と出合ったところです
牛若丸が鞍馬天狗より兵法を学んだ舞台はこのあたりという。
義経堂
源義経公を護法魔王尊の脇侍「遮那王尊」として祀られています。
奥州衣川の合戦で亡くなったとされる義経の魂が幼少期を過ごしたこの地に戻り、今も生き続けていると信じられているという。
木の根道のある付近は、岩盤がかたく杉が地下に根を張れないため、根が地面をはうように伸びている。
牛若丸(源義経)が修行をした場所とされる。
奥の院魔王殿 – 本殿から西の貴船神社へ抜ける山道の途中、奇岩の上にある小堂。
650万年前に金星から地球に降り立ったという魔王尊を祀っている。
現在の建物は1945年(昭和20年)の焼失後の再建。
極相林(きょくそうりん)
裸地や山火事・伐採などで樹木を失った土地には根はじめに光を好む草が生え、ついでマツやナラのような陽樹が入りこむ。
その日陰にシイやカシなどの陰樹が生え、陰樹が成長して陽樹を追いやる。
すると最後に陰樹だけの林となって永く安定する。
これを極相林という。
鞍馬山では、このあたり一帯が極相に達した森である。ウラジロガシ、ツクバネガシ、カゴノキ、サカキ、ツバキなど暖地性の照葉樹や、ツガ、モミなどの針葉樹が中心となり林内にはそれらの若木が育っている。
このような森林ができるまでには、少なくとも二百~三百年の歳月が必要だと考えられる。
奥の院魔王殿を通り下り坂を下っていくと西門です。
西門は貴船側から鞍馬山への参拝口で、西門前の小橋を渡ると貴船の町並みです。
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鞍馬へのアクセス、行き方歩き方
〒601-1111 京都市左京区鞍馬本町1074
TEL (075)741-2003
叡山電車 鞍馬下車 徒歩約5分
拝観時間 9:00-16:30