1月12日、住吉大社で若宮八幡宮例祭 湯立神事が行われた。
穀物の豊穣を祈るためだと言われるが、一面、裁判の一形態であった「探湯(くがだち)」を模したものであるとされる。
2013年の湯立神事の動画
若宮八幡宮は武勇の神様、祭神は
誉田別尊 (ほんだわけのみこと:応神天皇)
武内宿禰 (たけしうちのすくね:<国家鎮護・厄除開運・安産育児>)
八幡神である応神天皇の母の神功皇后を加えた住吉大神は、八幡神の祖神とされ、河内王朝の守護神とされる。
また八幡神が陸の軍神であるのに対して住吉神は海の軍神ともされる。
午前11時神職と巫女が若宮八幡宮の前庭に入場、いよいよ神事の始まりだ。
先ず神職が湯立神事を行う巫女のお祓いをする。
あらかじめ四つの釜には煮えたぎる湯が用意されている。
巫女は釜の前で何事か祈りを捧げる。
神楽鈴と御幣を手に舞を始める。
浪速神楽の笛と太鼓のはやしに合わせて舞うお湯神楽(おゆかぐら)と言われるものか。
動画住吉大社 若宮八幡宮例祭 湯立神事 雅楽の奏上
まず塩をまく、神社によっては釜の中に入れるところもあるが。
続いて米を入れる。
最後に酒を注ぐ。
御幣を持ち出したが、柄がずいぶん長い。
動画住吉大社 若宮八幡宮例祭 湯立神事 御幣で湯をかき混ぜる
御幣で湯をかき混ぜる。
画像を拡大して見ていただければわかるが、かき混ぜた後、御幣の先をペッとあおる。
何の呪いかな。
神前への献湯のため木桶に汲み入れる。
動画住吉大社 若宮八幡宮例祭 湯立神事 神前への湯立
神事の笹を釜の上に乗せ蹲踞の姿勢をとる。
動画住吉大社 若宮八幡宮例祭 湯立神事 お湯かけ
湯立神事の乱舞の始まりです。
巫女が「なぎの木」にて熱湯を撒きあげる度に、熱湯が冷気に晒され湯煙に変わり辺りが厳かな雰囲気になります。
ここでの神事も激しく湯を跳ね上げる。
同じ湯立神楽でも神社によってかなり違いがあり、玉串に見立てた枝葉を浸して湯を撒くもの(神奈川県藤沢市白旗神社など)や、素手で煮え湯を払うようにして撒くもの(長野県飯田市正八幡神社(遠山郷)など)、全国的にも珍しいご神体を湯につけるもの(香川県丸亀市垂水神社など)などさまざま。
なかには釜湯の中に米やお神酒などを入れるものもある(京都府京都市城南宮など)。
また、海辺の神社では釜湯に海水を使うところもある(千葉県横芝光町四社神社など)。
いずれも撒かれた湯(その飛沫)を浴びると無病息災になるとされる。
また、神社によっては釜湯を飲むと無病息災になるとされているところもあり、ビンなどにつめて持ち帰ることのできるところもある(長野県天龍村池大神社など)。
神事が終わり再び釜の上に笹を置き拝礼。
その時神職が白い打掛を持って現れ巫女にそっと掛ける。
巫女は打掛を頭からかぶったままで第一本宮に下がる。
白い小袖(白衣)に緋袴を履いた通常の巫女装束で再びあらわれる。
動画住吉大社 若宮八幡宮例祭 湯立神事 神楽の奉納
その後、岩戸舞が披露される。
腕の振りが特徴的であり、朝の到来を告げる鳥の羽ばたく様を連想させるかのようだ。
岩戸舞が終わりました。
神楽鈴を手にして参加者のお祓いをします。
神功皇后と住吉大神の怪しい関係について
若宮八幡宮は武勇の神様で祭神は誉田別尊 (ほんだわけのみこと:応神天皇)と武内宿禰 (たけしうちのすくね) だが第四本宮の祭神は応神天皇の母神功皇后だ。
日本書紀によれば、神宮皇后は夫の第十四代仲哀天皇とともに九州に赴いたという。
それは、南部九州の熊襲が反旗を翻したからだというのだが、途中神託が下りて、熊襲を討つのではなく、新羅を討てと命じられる。
天皇はこの神託を無視し、熊襲を討ってしまったために、変死する。
日本書紀は、これは天皇が神の言葉を聞かなかったからだという。
奇怪極まりないのは、仲哀天皇が亡くなった晩、神功皇后と住吉大神は、夫婦の秘め事を行っていたという住吉大社の伝承だろう。
神と神功皇后が、なぜここで男女の仲にならなければならなかったのか。
さらに問題なのは、住吉大神≒塩土老翁が、竹内宿祢と接点を持っていることで。
竹内宿祢といえば、神功皇后の忠臣でつねにそば近くに侍っていたし、古事記に従えば、仲哀天皇が亡くなられた晩、登場人物は天皇と皇后、そして竹内宿祢だけだから、住吉大社の伝承は、意味深長である。
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