丑の刻参りと鉄輪の井

京都府

丑の刻参りで知られる「鉄輪(かなわ)の井」

堺町筋を北に上がり、万寿寺通りを超え、松原通に出る手前の左側に不思議な路地ある。
とは言っても、よほど注意していない限り見過ごしてしまうほど目立たない。

民家の玄関と見まがう引き戸の奥には朱塗りの小さな鳥居が見え、何やら妖しげな空気を漂わせている。
思い切って引き戸を開けて中に入ると、人一人がやっと通れるくらいの細い路地奥に小さな祠があり、その横には井戸がある。
これは丑の刻参りで知られる「鉄輪(かなわ)の井」なのだ。

丑の刻参りとは

丑の刻参り(うしのこくまいり)、丑の時参り(うしのときまいり)とは、丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)に神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ちつけるという、日本に古来伝わる呪いの一種。
典型では、嫉妬心にさいなむ女性が、白衣に扮し、灯したロウソクを突き立てた鉄輪を頭にかぶった姿で行うものである。
連夜この詣でをおこない、七日目で満願となって呪う相手が死ぬが、行為を他人に見られると効力が失せると信じられた。
ゆかりの場所としては京都市の貴船神社が有名。
和泉式部の恋の道をたどり貴船へ

その昔、このあたりに夫婦が住んでいたが、妻は嫉妬深い女で、そのあまりの激しさに思いあまった夫は妻を離縁して、後妻を迎えた。

それを知った前妻は、嫉妬に狂い、洛北の貴船神社に丑の刻参りの願をかけた。
呪いをかけた人形(ひとがた)を作り、恨みのたけをこめて呪文をとなえながらその人形を釘で木に打ち付けた。

その形相はさながら夜叉の如く口に松明(たいまつ)をくわえて、貴船までの道をひた走った。

その形相はさながら夜叉の如く、詣でる時の服装はといえば、顔には朱をさし、体には丹を塗り、頭には鉄輪をかぶって、そこに三本のローソクを灯し、口に松明(たいまつ)をくわえて、洛中から遥か貴船までの道をひた走った。

今日で満願というその夜、女は精根尽き果てて自宅の井戸のそばで倒れ、そのまま息絶えてしまった。


今日で満願というその夜、女は精根尽き果てて自宅の井戸のそばで倒れ、そのまま息絶えてしまった。
恨みを果たせなかった悔しさで怨霊がなおもたたってさまざまな不吉のことが起こるので、人々は女のかぶっていた鉄輪を埋めて塚を築いて祀ったという。

女が息絶えた井戸を鉄輪の井戸といい、この井戸の水を別れたい相手に飲ませると、縁を切ることができると信じられている。
古い昔の迷信家と思えば、井戸の蓋の上にはペットボトルに入ったミネラルウォーターが置かれている。
一晩この井戸の上に置いておくだけでも効果てきめんといわれている。

丑の刻参りをしている者の姿を他の人に見られると、参っていた人物に呪いが跳ね返って来ると言われ、目撃者も殺してしまわないとならないと伝えられる。


丑時参(うしのときまいり)
鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
今日で満願というその夜、女は精根尽き果てて自宅の井戸のそばで倒れ、そのまま息絶えてしまった。丑の刻参りをしている者の姿を他の人に見られると、参っていた人物に呪いが跳ね返って来ると言われ、目撃者も殺してしまわないとならないと伝えられる。

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鉄輪の井へのアクセス、行き方歩き方

堺町通松原下る鍛冶屋町

市バス 五条高倉 徒歩約5分
地下鉄 烏丸線 五条駅 徒歩約10分
京阪電車 清水五条駅 徒歩約10分
阪急電車 京都線 烏丸駅 徒歩約15分

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