トロッコ電車で黒部峡谷の大自然を行く

北陸

今回のツアーの初日は黒部峡谷トロッコ電車でした。
もともとは日本電力、日本発送電による黒部川電源開発のための資材運搬用鉄道であり、かつては便宜的に旅客を扱っていた(当時の切符には生命の保障はしない旨の注意書きがあったという)。

日本国内では数少ない軌間762mmの特殊狭軌(ナローゲージ)での鉄道路線で、トロッコ列車(オフィシャルな愛称は「トロッコ電車」)を運行している。

黒部峡谷鉄道宇奈月駅
宇奈月駅より欅平まで全長20.1km。大小41のトンネルをくぐり22の橋を渡るスリリングなトロッコの旅は、ここから始まります。

電車の発車まで少し時間があったので近くにあるやまびこ展望台から新山彦橋を見に行く。
ここは新山彦橋を真下に望む撮影スポットです。
正面に見えているのは旧山彦橋で、今は遊歩道になっている。

駅の方から電車の発車の合図が聞こえたので走って遊歩道まで行き、山彦橋を渡るトロッコ電車を撮影した。

旧山彦橋はご覧の通りの遊歩道になっていて、宇奈月ダムまでの約1㎞の鉄橋やトンネル、旧軌道敷などを歩く変化に富んだ散策コース。

黒部峡谷トロッコ電車はミニサイズです。
軌道の幅で比較すると、
新幹線 : 1435mm
JR在来線 : 1067mm
トロッコ電車 : 762mm

トロッコ電車の軌道の幅は、新幹線の約半分。JR在来線の約7割です。
小さいけれど、でも、設備は充実。
自動列車停止装置(ATS)、列車無線装置を完備しています。
峡谷鉄道の総延長は、20.1km。トロッコ電車は平均16km/hのスピードで走ります。
始発の宇奈月駅~欅平駅の所要時間は、約1時間20分です。

うなづき湖
洪水防止のために作られた宇奈月ダムの人工湖。
綺麗なエメラルドグリーンの湖。
向こうに湖面橋が見える。

新柳河原発電所
宇奈月ダム建設に伴い水没した柳河原発電所の代替に建てられた発電所。
湖上に浮かぶ西洋のお城をイメージして建てられた。
宇奈月ダム建設では黒部峡谷鉄道の線路も沈むことになり、線路の付け替えが行われ新やまびこ橋が建設された。

尾の沼公園から 猿用吊橋
ダムを作ってしまったことで猿が山から山に移動出来なくなってしまったので、この吊橋をわたしたようです。
橋は長さ約135メートル、幅約30センチ、湖面からの高さは最大で約20メートル。
手すりはなく、人は渡れない。

橋を渡る姿がこれまで30匹以上確認されており、運が良ければ、そばを通る黒部峡谷鉄道のトロッコ列車からも目撃できるという。  
2001年のダム建設で、黒部川に架かっていたつり橋を撤去した後、群れが餌を求めて下流に移動、農作物被害が目立ち始めたため、同省が03年に工事を始め、以前の橋とほぼ同じ場所に新しいつり橋を建設した。

黒灘駅を出るところで保線員の皆さんが見送ってくれました。

後曳橋(あとびきばし)
鉄道沿線で最も峻険な谷に架かる橋。
あまりの谷の深さに後ろへ引き下がったことから、後曳とよばれるようになりました。

また、沿線には原生林が多数生育しており、トロッコ電車で豊かな緑の香りを堪能できることが評価され、環境省の「かおり100選」に平成13年11月認定されました。

トロッコ電車は宇奈月温泉駅から終点欅平まで全長20.1キロ。
沿線には10個の駅があるが、降車できるのは宇奈月温泉、黒薙、鐘釣、欅平の4駅のみ。
その他の駅はダムで働いてる人用、列車すれ違い用の駅。

出し平ダム
黒部川には黒部第四ダムを初めとするたくさんのダムがある。
主に関西電力の所有するダムでここで作られた電気が関西に送られている。
出し平ダムは国内初の土砂排出機能のついたダム。

黒部川と反対側の車窓には「冬期歩道」が設けられています。
見えているのは冬期歩道用の明り取り窓。

黒部峡谷鉄道が運休となる冬場、関西電力関係者らが通る道です。
宇奈月から欅平までは6時間程かかるのだそうです。
厳しい自然に立ち向かう水力発電関係者には頭が下がります。

沿線は日本一深いV字峡谷になっています。
全線でくぐるトンネル数は41、わたる橋の数は22。

人を寄せつけない断崖絶壁とエメラルドグリーンの川を臨みながら、小さな体で縫うように駆け抜けます。

猫又駅と黒部川第二発電所を結ぶ橋、駅からの引き込み線が発電所まで通っている
この引込線の橋は目黒橋といい、特徴的な形状と赤い色で非常に目を引く存在である。

この引込線はトンネルで山の中に入っていっており、地下に設けられている新黒部川第二発電所まで向かっている。

黒部峡谷にある鐘釣山 標高759m、
お寺の鐘を伏せた形をしていることからこの名が付いたそうです。
猫又駅を過ぎると左手に見えてきます。

ちなみに有名な鐘釣温泉は、この山の名前から来ているそうだ。
列車は鐘釣山をトンネルで抜け、抜けたところが鐘釣駅。

万年雪展望台から見える万年雪。
ベンチも完備されており、木陰でゆっくりと眺めを楽しみながら、撮影することができるとっておき撮影スポット。

河原露天風呂に向かう途中に足湯があります。

この急な階段を下れば河原露天風呂。

景色を見ながら温泉に入れます。
砂を掘って自分だけの露天風呂をつくれるのだ。

鐘釣三尊象は、黒部川の氾濫を防ぎ、洪水から下流の住居を守るために安置したものです。

ねずみ返しの岸壁(黒薙駅)
猫又駅下流の対岸に見える大岩壁は、猫に追われたねずみも登れないほど切り立っているのでこの名がつきました。
高さ200mに及ぶ黒々とした断崖が紅葉にいろどられる美しさは感動的。

笹平駅を過ぎると、出六峰(だしろっぽう)が見えてきた、青く澄んだ美しい出平(だしだいら)ダム湖に、垂直に落ち込む岩山「6つの峰」がそそり立ち、静かな湖面とダイナミックな尾根の対比が見事。

「柳河原発電所 跡曳水路橋」は柳河原発電所への送水のため昭和2年(1927年)に架設された水路用の上路RCアーチ橋梁である。RCアーチとして当時最大スパンの橋梁であり、河床から約65mの高さに建設されている。

また水路を支える柱頂部には連続シャローアーチを採用するなど、当時の技術水準の高さが感じられる。
険しい峡谷間で長年の風雪に耐えながら供用されつづけた同橋は、今日では見事に自然に溶け込んでいる。

仏石(黒薙駅)
仏の姿に似ているので仏石。湯治客が道中の安全を祈願したとの言い伝えも。
赤い頭巾が目印で、列車はあっという間に通り過ぎてしまうので見逃さないように!

平和の像
大原台の山頂から温泉街を見下ろすようにして建つ、日本一標高の高い場所に立つブロンズ観音像。
宇奈月町出身の日展作家、佐々木大樹氏による高さは12.7mの大作。

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宇奈月駅へのアクセス、行き方歩き方

黒部峡谷トロッコ電車公式サイト

住所:富山県黒部市黒部峡谷口11
電話:0765-62-1011
4月中旬~11月下旬 期間中無休
7:32(始発)~15:40(最終発)

富山地方鉄道本線宇奈月温泉駅から徒歩5分 駐車場あり(有料)
黒部峡谷鉄道宇奈月駅前有料駐車場利用
片道(宇奈月~欅平) 大人1660円、小人(6歳以上12歳未満)830円