ヒンドゥーの神々といえば、どのような姿を思い浮かべるでしょうか。
狭い意味でのヒンドゥー教は、バラモン教から聖典やカースト制度を引き継ぎ、土着の神々や崇拝様式を吸収しながら徐々に形成されてきた多神教である。
紀元前2000年頃にアーリア人がイランからインド北西部に侵入した。
彼らは前1500年頃ヴェーダを成立させ、これに基づくバラモン教を信仰した。
紀元前5世紀頃に政治的な変化や仏教の隆盛があり、バラモン教は変貌を迫られた。
その結果、バラモン教は民間の宗教を受け入れ同化してヒンドゥー教へと変化して行く(バラモン教もヒンドゥー教に含む考えもある)。
ヒンドゥー教は紀元前5 – 4世紀に顕在化し始め、紀元後4 – 5世紀に当時優勢であった仏教を凌ぐようになった。
その後、インドの民族宗教として民衆に信仰され続けてきた。
シヴァ神とパールヴァティ女神
シヴァはヒンドゥ教の主な神格で、世界の破壊と再生を司る。
妻パールヴァティーは穏やかな姿で現れるが、その変身形ドゥルガーは武器を携え、災いを払う女神とされる。
象頭のガネーシャはシヴァの息子で、福をもたらす神として人気がある
ドゥルガー女神
パールヴァティーの化身の一つで美しい戦いの女神。
虎に騎乗して水牛に化けた悪魔を倒す美しい神像が有名。
ヒンドゥー教の大女神。
シバ神の妻。
パールバティーPārvatī,ウマーUmā,ガウリーGaurī,カーリーなどの別名をもつが,これらは元来別の女神であったと考えられている。
ドゥルガーは〈超え難い女性〉という意味で、悪魔たちを殺す恐ろしい女性戦士とみなされている。
シヴァ神 (ナタラージャ) インド カルナータカ州
穢れや罪に満ちた世界を消滅させるためのダンスを踊るシヴァ神。
この姿から20世紀に入ってシヴァ神は舞踊の神とも見なされるようになった。
ダーキニー女神(空行母) チベット自治区
荼枳尼天(だきにてん)は、仏教の神(天)。
夜叉の一種とされる。
荼枳尼天の起源であるインドのダーキニーは、裸身で虚空を駆け、人肉を食べる魔女である。
ダーキニーの起源は明らかでないが、ヒンドゥー教もしくはベンガル地方の土着信仰から仏教に導入されたと考えられている。
ヒンドゥー教ではカーリーの眷属とされ、カーリーに付き従って尸林をさまよい、敵を殺し、その血肉を食らう女鬼・夜叉女となっている。
ヤマーンタカ尊 チベット自治区
梵名のヤマーンタカとは『死神ヤマをも降す者』の意味で、降閻魔尊ともよばれる。
またヴァジュラバイラヴァ(vajrabhairava 、金剛怖畏)、ヤマーリ(『死神ヤマの敵』)、マヒシャサンヴァラ (『水牛を押し止める者』)ともいう。
観自在菩薩
観世音菩薩は、本来男性であったと考えられる。
しかしながら、中国では「慈母観音」などという言葉から示されるように、俗に女性と見る向きが多い。
また、例えば地蔵菩薩を観音と同じ大悲闡提の一対として見る場合が多く、地蔵が男性の僧侶形の像容であるのに対し、観音は女性的な顔立ちの像容も多いことからそのように見る場合が多い
インドでは諸神を招く時、土壇上に円形または方形の魔方陣、マンダラを色砂で描いて秘術を行う。
色砂で土壇上に描くため、古い物は残っていないが、チベット仏教などでは今でも修行の一環として儀式、祭礼を行う時に描かれる。
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