雑賀崎西端、和歌浦湾に突き出た岬「番所の鼻」にある芝生庭園。
庭園のある岬は江戸時代より紀州藩の海上への見張り番所が置かれた場所であったことから「番所の鼻」と呼ばれ、当庭園はその見張り番所の跡地を整備したもの。
当庭園は紀伊水道に浮かぶ大島(男島)、中ノ島(女島)、双子島を眼前に望む景勝の地であり、夕日の名所としても知られる。
紀伊水道を望む。
見上げると、雑賀崎灯台。
中世に雑賀崎城があった雑賀崎の鷹の巣と呼ばれる崖の頂上に位置する。
初点灯は1960年3月31日という比較的新しい灯台。
戦国時代は雑賀孫市を頭領とする雑賀党の本拠と伝わる地。
海上交通の要衝紀伊水道に面しており、「鷹ノ巣」と呼ばれる断崖に建つ雑賀崎灯台からは友ヶ島から淡路島、四国まで一望できる。
江戸時代には、リアス式海岸を構成する小さな岬の一つ「番所の鼻」に紀州藩の見張番所が置かれていた。
藤原卿によって詠われた「雑賀の浦」の歌碑
「紀の国の 狭日鹿の浦に 出で見れば 海女の燈火 波の間ゆ見ゆ」 藤原卿
万葉時代、神亀元年(724年)十月に聖武天皇が大和の都から、お供の公家、宮廷人たちと和歌の浦に行幸された折、藤原卿が番所庭園の北に拡がる「雑賀の海」の漁火を見て詠まれたとされる歌。
ペリー(黒船)の来航(1853年)以来、紀州藩も本格的に海防に取り組み始めます。
翌1854年に「元番所お台場」が構築された。
その年にロシアのプチャーチンがディアナ号で紀伊水道に再来した様子を記された「異船記」。
ロシアとの軍事力の格差に驚いた紀州藩は急遽海防の強化に踏み切った様子が描かれています。
庭園はバーベキューなどを楽しむ施設も整っており市民の憩いの場となっている。
和歌山市万葉めぐりコースおよび、せとうち夢海道50景に選定されている。
番所庭園へのアクセス、行き方歩き方
住所:和歌山県和歌山市雑賀崎番所ノ鼻
電話:073-444-6533
JRきのくに線 和歌山駅から和歌山バス雑賀崎循環線で35分、雑賀崎遊園下車、徒歩15分