廻遊式日本庭園 五風荘(ごふうそう)散策

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五風荘(ごふうそう)は、岸和田城二の郭にあった「新御茶屋」および「薬草園」の跡地に旧寺田財閥当主で岸和田市長を務めた寺田利吉の別邸として昭和4年(1929年)から10年をかけて造成された。

入り口も立派な構えです。
平成21年(2009年)度からは指定管理者制度を導入し当指定管理者に選定された「がんこフードサービス株式会社」が管理運営を行っている。
面積は約8000平方メートルで、回遊式庭園内に「山亭」・「八窓席」・「残月席」の3つの茶室が設けられている。

表門「南木門」は奈良の東大寺塔頭中性院表門を移したものである。
五風荘は当初、岸和田所縁の武士楠木正成の姓に因んで「南木荘」と呼ばれていたが、寺田利吉の諡号が「五風院」であったことから現在の名称に改められた。

正門を入ると、玄関前に巨石を中心に背の低い、枝ぶりの美しい松数本を配した植え込みがある。
すぐそこに岸和田城の天守が見える。

前庭を横切って「不許葷酒入山門(くんしゅさんもんにいるをゆるさず)」と刻まれた戒壇石を左に、中門をくぐると、広い庭園に出る。

石畳を踏んで奥へ進む。

池があり、石橋が架かり、背後の小高い丘の上にある山亭にと、道は通じる。
左手には、なだらかな稜線を描く自然林を利用した山があり、ところどころに紅葉を配して、秋は殊のほか美しい。

所有者は昭和61年(1986年)に岸和田市土地開発公社、平成4年(1992年)9月に岸和田市へと移り、管理運営は平成20年(2008年)度まで岸和田市の外郭団体である岸和田市観光振興協会が担ってきた。

厳しい市財政のなか、年間約2,900万円もの維持管理費が必要なことから、「民間による保全活用」を図ることも視野に入れ、岸和田城周辺の日帰り観光をアピールする拠点としての「五風荘の運営」についてその方策を検討した。

「がんこフードサービス株式会社」は賃料などを免除される代わりに、建物と庭を維持管理し、売上高の1%を市に納める契約だそうだ。
市は、収入を4月に設立した市文化財保護基金に充て、市内のほかの文化財の保護に活用するという。

NHKカーネーションのロケもここで行われた。
吉田奈津が住む料亭という設定だ。
大正時代の設定だがこの時代、まだ五風荘は建ってない。

料亭「吉田屋」で吉田奈津が日舞の稽古をするシーン。
そして、おなじ「吉田屋」で、吉田奈津が親戚の女性と会話するシーン。

主屋客室からは、瓢箪型の瓢池(ひさごいけ)や中之島・石橋・雪見灯籠などが眺められる。
がんこになる前は、一般開放していなかった場所も、今は宴会場です。

「五風」は、五風十雨=5日に一度風が吹き、10日に雨が降ること。
転じて、風雨その時を得て、農作上好都合で、天下の太平なこと。

瓢池の脇から山亭へむかう。
立派な主屋と山亭・八窓席・残月席の3つの茶室がある、風情豊かな回遊式庭園。

茶室は木津宗匠師の設計によるものとされ、特に山亭は形の美しい自然石を礎石とし、その上に茶室が建てられている。

山亭は銘を対水亭といい、瓢池のほとり小高い築山の上にある。
水準不そろいの、しかも表面突こつとした礎石に、あたかも根を下ろしたような15本のムロの木の古木を脚柱として舞台を組み、上に軽快な姿の茶室を置いた。

まさに工匠苦心の作というべき建物で、五十年を経てなお寸分の狂いもなく、その優美な姿を瓢池に映している。

鎮守社

茶室を見てさらに進むときれいな竹林があるがこのあたりはまだ手が付けられていない。

山亭を下り路地をたどれば、郁子蔓の柴門をくぐり、つくばいを経てクスノキの大樹の下、待合に至る。
土間ひさしの待合を中心に右が利庵で八窓席、左が残月席で水屋とともに棟続きの中にある。

八窓席は様々な窓が八つあるので名の由来となっているが、三畳中板のつつましやかな山里風(ぶり)のわびた茶室で、参ずる者に深い親近感をあたえる。

残月席はこれと対照的で、上段の間と附書院、貴人口を持つ格式のある茶室であるが、威厳の中にゆったりとしたくつろぎを感じる席で、材の仕口は極めて軽快である。

船津橋門
山亭へ向かって右、築山の萩の原に13重石塔を見るが、これは近江源氏佐々木氏ゆかりの供養塔である。
滋賀県より請来(しょうらい)した、鎌倉時代の由緒の明らかなもので、左水際の雪見灯ろうと対をなし、配置の妙は見事である。

母屋の座敷は二面広く開け、庭園が美しく眺められる。
睡蓮の咲く瓢池や中之島、造形美を見せる
山亭、雪見灯篭等、その配置の妙は見る人の心を和ませる。

清流を思わせる小川が流れる、右手は客室。

茶室の活用までは至っていないが、今後、茶室の改修と活用について改善し、開放していただきたいものです。。

門内から岸和田滋養天守を望む。
門を出たあたりからの天守が一番美しい。

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五風荘へのアクセス、行き方歩き方

住所:大阪府岸和田市岸城町18-1
電話:072-422-6555
南海電気鉄道蛸地蔵駅から徒歩7分

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