常陸水戸から秋田に転封された佐竹義宣が慶長8年(1603)に着工し翌年完成した。
天守閣も石垣もない城であるが,佐竹氏が累代在城して明治維新を迎えた。
1868年(明治元年) – 戊辰戦争。
久保田藩は新政府軍を支持したため庄内藩・盛岡藩から攻撃を受け(秋田戦争)、領内の大半が戦場となり特に庄内藩には城下12kmまで迫られたが、仙台藩・米沢藩の降伏を受けて庄内藩が撤退したため久保田城は戦禍を免れた。
城の建物は明治13年(1880)まで存続したが火災で失われた。
千秋公園ポケットパーク
散歩の途中ちょっとひと休みできるおしゃれな公園。
お堀をゆっくり眺めよう。
前に広がるのは「大手門の堀」。
土橋で区切られた西側が「穴門の堀」、東側が「大手門の堀」。
穴門は、外町や土崎湊へ通じる重要な門であった。
ここに二層の一の門があり、足軽番所を置いて警備をしていた。
その西方に二の門があり、そこから外堀の穴門橋(木橋)を渡って、通町方面へ通じていた。
一の門は、当初湊城の門を移したものであったが、安永5年(1776)の外町の大火で類焼した。
その後再建されたが、維新後取り壊された。
黒門跡桝形
黒門跡を抜けると枡形が設置されている。
本丸に次ぐ重要地である二の丸跡。
往時は勘定所・境目方役所・安楽院(祈祷所)・時鐘・金蔵・厠などの建物が存在していた。
鶸めじろ山雀つばめなきしきり
さくらはいまだひらかざるなり 牧水
旅さなか秋田にやどりし父のうた
ふかきゑにしに今日きざまれぬ 旅人
若山牧水(宮崎県東郷町出身)は、旅と酒をこよなく愛した漂泊の歌人である。
当然、酒のくに・秋田にも大正5、6年の2回、足を運び、数首を詠んでいる。
本丸を目指し上る。
長坂門跡
二ノ丸から本丸へ続くのがこの長坂門であり、「二ノ門」とも呼ばれていた。
この長坂という名称は長い石段「長坂」にちなんでいるという。
こちらも桝形となっている。
御物頭御番所
久保田城唯一の現存建造物である。
御物頭とは秋田藩では番方に属す役割であり、配下の足軽を指揮して本丸への玄関口である表門の開閉及び城下一帯の警備を担当した。
「国典類抄」によれば御物頭番所は宝暦8年(1758)の火災で焼失し、その後再建され安永7年(1778)以降の火災では焼失を免れたというので18世紀後半の建築であろうと推測される。
表門手前の階段、緑がきれいだ。
久保田城表門
久保田城本丸の正門で、一ノ門とも呼ばれていた。
本丸の玄関口として警備上から重要な地点とされており、南側には門の警備と管理をする「御番頭局」、門の下手には侵入者を警戒する「御物頭御番所」を置いて厳重な守りを固めていた。
本丸から眺める千秋公園(当時は千秋園)の命名者は、秋田県出身の漢学者狩野良知で、「千秋」の由来は、秋田の「秋」に長久の意の「千」を冠し、長い繁栄を祈ったものといわれている。
秋田藩12代藩主佐竹義堯(よしたか)公銅像
秋田藩最後の藩主。
八幡秋田神社
ひろい庭園跡が広がるがもう少し手入れが入ればよくなるのだが。
御隅櫓
市制100周年を記念して平成元年に復元された千秋公園のシンボル。
内部には歴史資料が展示されており、展望室からは市内が一望できる。
初代藩主・佐竹義宣画像
秋田藩佐竹氏は、源氏の流れをくむ名門であり、全国の大名の中でも古い歴史をもつ殿様。
展望室からの眺望、晴れていれば鳥海山も望めるのだが。
本丸北側の帯曲輪門跡
土塁で築かれた久保田城の面影がよく残る。
石垣が無いのは幕府に遠慮したためとも言われるが、佐竹氏の旧領常陸国を含む東国ではもともと石垣を用いない築城法が一般的であったため、石垣作りに精通した者が居なかったともされる(但し後に江戸城の修築を命じられた時、佐竹氏は石垣の普請も担当している)。
いずれにせよ山川沼沢を巧みに利用し防御を図っており、水堀や円郭式城郭など西国の様式も採り入れられている。
裏門跡
二ノ丸から本丸へ続く門のひとつで主に夜間の出入りに使われた。重層の門であったとされ2度の大火で焼失したがその都度再建され、明治13年の大火では焼失を免れたが移築されて鱗勝院(旭北栄町)の山門になったと伝えられる。。
大賀ハスが見事に咲いていた。
明治初年の久保田城
手前の橋は内堀に架かる三の丸の穴門橋。
左上に新兵具御隅櫓(しんひょうぐおすみやぐら)がそびえる。
右上、本丸南西隅の高台に建てられた御出書院(おだししょいん)からの眺望はすぐれ、天守の代わりをしたといわれている。
千秋公園の時鐘は、寛永16年(1639)2代藩主・佐竹義隆の時代に久保田城二の丸の東側(現・佐竹史料館の後ろ)に、鐘楼を創設したのが始まりである。
その後、慶応2年(1866)に、これまでの鐘は改鋳されたあと時代の変遷と共に、幾たびかの移転を経て、現在の千秋公園霊泉台下に建設されたものである。
秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)
竿燈(かんとう)の起源といわれる七夕行事「ねぶり流し」にちなんだ愛称の民俗芸能伝承館。ここでは竿燈や土崎神明社祭の曳山車(ひきやま)等を展示。
竿燈に触れて実際にチャレンジできる体験用もある。
竿燈祭りを見ているとみんな軽々と操っているけれど、重さは50kg以上もあるという力と技の男の祭りだ。
旧金子家住宅
江戸時代後期の商家で、主屋・土蔵からなる伝統的な町屋形式を残す建物(市の有形文化財)。
ドラゴ・マリン・チェリーナ 可愛い悪戯
ねぶり流し館の側でみかけたがあまりかわいいので思わずパチリ。
秋田市民市場
長く秋田の生活を担い、秋田の台所と称されていた時代もあったりと歴史は古く、秋田市外からの買い物客も多い。
店の形式は大きな市場の建物の中に青果、鮮魚、海産物、雑貨、精肉、日用品、衣服、食堂などの個人商店がテナント入居している。
全盛期は週末などになると歩くのが困難になるほど買い物客が押し寄せていたが現在は買い物志向の変化や近くの秋田ショッピングセンター(現在のフォンテAKITA)、秋田西武などに客が流れたことや後継者の不足により出店数は減少している。
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久保田城へのアクセス、行き方歩き方
住所:秋田県秋田市千秋公園1-39
JR奥羽本線・秋田新幹線「秋田」駅から徒歩約10分