修二会のシンボルのような行事、二月堂の舞台で火のついた松明を振り回す「お松明」。
二月堂周辺は三脚禁止のため今回は駐車場からの撮影。
7時から約40分程度の行であるが駐車場に立ち尽くしていると寒さが堪える。
この松明は上堂の松明といわれ、本来は、初夜の行を始めるために練行衆が登り廊を登るときに道明かりとして焚かれるもので、一人の童子が松明をかざして、後に一人の練行衆が続き、入堂された後に、その松明を舞台(欄干)に回り、火を振り回すのである。
お松明の火の粉を浴びると健康になる、あるいは幸せになると信じられている。
また燃えかすを持って帰り護符の代わりにする信者も多い。
12日のお松明には年によっては2万人から3万人の人出がある。
ただし12日は非常に混雑するため規制・照明・放送などがあり、雰囲気を味わうには前半に見る方がよい。
今回は300mmで撮ったが次回はこの画角200mmで挑戦してみようと思う。
『二月堂縁起絵巻』(天文14年1545年)によると、天平勝宝3年(751年)東大寺の開山、良弁の弟子の実忠が笠置山で修行中に、竜穴を見つけ入ると、天人の住む天界(兜率天)に至り、そこにある常念観音院で天人たちが十一面観音の悔過を行ずるのを見て、これを下界でも行いたいと願った。
しかし兜率天の一日は人間界の四百年にあたるので到底追いつかないと天人の1人に言われた。
それで、少しでも兜率天のペースに合わせようと走って行を行うと念願したという。