冬の洛北 大原の散策 寂光院

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寂光院は山号を清香山と称する。
寺号は玉泉寺。

本尊は地蔵菩薩、開基(創立者)は聖徳太子と伝える。

平清盛の娘・建礼門院が、平家滅亡後隠棲した所であり、『平家物語』ゆかりの寺として知られる。

草生を見渡すことのできる寂光院の東の背後の高台に、建礼門院徳子の墓所と伝えられる大原西陵がある。

徳子は高倉天皇の正后だが、高倉天皇には小督局という寵妃がいた。

高倉天皇の寵愛を受け、坊門院範子内親王を出産した。
だが、天皇の中宮・建礼門院徳子の父・平清盛に追われ、この寺で出家させられた。
その後、嵯峨に身を隠し、21歳の若さでこの寺で亡くなったという。

天皇は「死んだら小督局のいる清閑寺に葬ってくれ」と遺言され、養和元年(1181)没後、葬儀がこの寺で行われ、遺言通り埋葬された。

小督局悲恋の地 清閑寺
小督の局ゆかりの地 嵐山 法輪寺界隈

寂光院入口より本堂へは、六十六段紅葉坂を上ります。

狭い参道には古木が立ち、秋には紅葉がきれいです。

参道の途中に茶室 孤雲の苔生した門…

孤 雲 (茶室)

京都御所で行われた昭和天皇の即位の御大典の際に用いられた部材が寂光院に下賜され、それをもとに茶室を造り、昭和6年3月に千宗室宗匠をたのみて献茶式を催し茶室開きを行ったものである。

「孤雲」の名のいわれは、建礼門院のもとを訪れた後白河法皇が、粗末な御庵室の障子に諸経の要文とともに貼られた色紙のなかに、「笙歌遥かに聞こゆ孤雲の上 聖衆来迎す落日の前」という大江定基の歌とともに、「思ひきや深山の奥にすまひして 雲居の月をよそに見んとは」という女院の歌を御覧になって、一行涙にむせんだという『平家物語』の大原御幸のなかの一節にちなむ。

後白河法皇の大原御幸の会話内容はむろん史実とは思えないが、平家物語の巻末を飾るにはふさわしいシーンではある。

本堂は淀殿の命で片桐且元が慶長年間(1596年-1615年)再興したものであったが、平成12年(2000年)5月9日の放火で焼失した(犯人未逮捕のまま平成19年(2007年)5月9日公訴時効成立)。

この際、本尊の地蔵菩薩立像(重文)も焼損し、堂内にあった徳子と阿波内侍の張り子像(建礼門院の手紙や写経を使用して作ったものという)も焼けてしまった。

雪見灯籠 (ゆきみどうろう)又は南蛮灯籠、本堂に向かって右手前にある置き型の鉄製灯籠。

豊臣秀頼が本堂を再建した際、桃山城(伏見城)から寄進されたものと伝えられています。

宝珠の下には円形の笠、火袋の側面には透し彫りにした五三の桐紋、円形台下に猫足三脚を付けた重厚な鉄灯籠です。

本堂の北奥に女院が隠棲していたと伝えられている庵跡がある。

建礼門院御庵室跡

文治元年(1185)長門壇ノ浦の合戦で平家が敗れたあと、建礼門院はひとり助けられて京都に連れ戻され、その年の9月、都を遠く離れた洛北の地大原寂光院に閑居した。

それに先立ち徳子は「長楽寺」で落飾した。
黄台山 長楽寺 建礼門院が落飾した寺

林の中の建礼門院御庵室跡あたりは苔むしてきれいだ。

阿波内侍(あわのないし)の墓。
寂光院入り口より草生川沿いに上流へ歩けば、川を渡ってこの史跡へと続く道がある。

阿波内侍は、建礼門院とともに寂光院で暮らしていた女官の1人。

女官たちは生活のための収入を得るために、阿波内侍の提案で、京の街中へと「しば」(小枝の薪のこと)を売るため出かけていたそうである。

その際に彼女が考案した服装が、今の大原女の姿だといわれている。

毎年行われる大原女時代行列の記事。
初春の大原の里で大原女時代行列

参道の入り口右脇に落合の滝という美しい滝があります。 

焼杉谷川と西田谷川が合流する地点にある滝で、建礼門院の御歌「ころころと小石流るる谷川の、かじかなくなる落合の滝」で知られている。

寂光院参道に「朧(おぼろ)の清水」がある。

小さな井泉は、建礼門院が朧月夜に井水に姿を映し、やつれ果てた自らの姿を見て、身の不運を嘆いたと伝えられている。

歌枕になっている。
「ひとり澄む おぼろの清水 友とては 月をぞすます 大原の里」。

乙が森、森の中は大蛇の絡まったような大きな藤蔓があり、中央に龍王大明神の碑が建てられている。

大原川の上流にある女郎ヶ淵に身を投げた「おつう」という女性が蛇身となって川を下り、この森で自分を捨てた若狭の領主の行列を待ち伏せして妨害したので、松田源太夫という侍が退治してその尻尾を花尻の森に埋め、頭の方を乙か森に埋めたとも言われている。

冬の洛北の雨を避けるように大原の里に別れを告げる。

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寂光院へのアクセス、行き方歩き方

住所:京都市左京区大原草生町676
電話:075-744-3341

京都バス「大原」下車、徒歩約10分

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