長岡天満宮に紅葉を訪ねる

京都府

現社地周辺は平安時代、菅原道真の所領であったとされ、道真が在原業平らと共に、 しばしば遊んで詩歌管弦を楽しんだ縁深いところであるという。

道真が大宰府へ左遷された時、長岡に立ち寄り、「我が魂長くこの地にとどまるべし」と名残を惜しんだ。

社地は元10万余坪に亘っていたが、明治維新に際し上地のため、現今は2万余坪を有している。

八条ヶ池を二分している中堤と北池の中ノ島を結ぶ総桧造りの水上橋を含む一帯は八条ヶ池ふれあい回廊のみちと名付けられている。

折からの冷たい雨で紅葉も散り急ぐ。

八条ヶ池には、檜で作られた水上橋があり、そこからは池を中心として境内を一望できる。

錦水亭(きんすいてい)は長岡天満宮の横にある明治14年(1881)創業の日本一のたけのこ料理の老舗。
池に浮かぶ数寄屋造の建物、手前はショウブ園。

雨に霞む参道に植えられているキリシマツツジ、樹齢100~150年と言われ、高さが2.5メートルほどもあります。
毎年4月20日頃が見頃となっています。

菅公頌徳詩(かんこうしょうとくし)・・遺徳を偲ぶ漢詩

現在の本殿は昭和16年(1941年)に京都の平安神宮の社殿を拝領移築したもので、正面の朱塗りの拝殿は「菅公御神忌1100年大萬燈祭」を奉賛して、既存の拝殿を増改築したものである。

冷たい雨が紅葉歩濡らす。

庭園の一角にある菅公御歌の歌碑は、昨年恩賜賞・日本芸術院賞を受賞された日展審査員池田桂鳳先生の揮毫、 石は貴船石の銘石。

このたびは 幣もとりあへず 手向山
     紅葉のにしき 神の間にまに


様々な色を見せる散り葉、雨に打たれてひときわ風情も増す。

実は、奈良の平城京で即位した第50代・桓武天皇が、平安京の前に、まず、都を置いたのが、この長岡京なのです。

遷都の理由としては、力が強くなり過ぎた奈良の仏教会から離れて天皇中心の政治をしたかったこと。

桓武天皇が約100年ぶりとなる天智天皇系の天皇(これまでは壬申の乱で勝利した天武天皇の系列でした)だった事で、人心の一新を行うため…などが挙げられます。

何と言っても、ここが、桓武天皇の母方である渡来系氏族にゆかりのあった場所であり、水陸の交通の要所であったからでしょう。

とは言え、水運が発達するという事は、イコール川が多いという事で、温暖的気候であった平安時代初期には、度々ゲリラ豪雨に襲われて川の氾濫が相次いだ。

都の造営が思うように進まず、不衛生な中での疫病も流行して身近な人を次々と失った桓武天皇は、これを、亡くなった異母弟=早良親王(さわらしんのう)の祟りと恐れ、怨霊を徹底的に排除する都=平安京へ再び遷都したのです。

長岡天満宮へのアクセス、行き方歩き方

住所:京都府長岡京市天神2-15-13
電話:075-955-9515

阪急電鉄京都線「長岡天神」下車 徒歩5分

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