京都で季節の最後を飾る御室の桜

京都府

この記事は誤って消去してしまった記事の再掲です。
画像は2013年4月9日訪問時のものです。

皇室とゆかりの深い寺(門跡寺院)で、出家後の宇多法皇が住したことから、「御室御所」(おむろごしょ)と称された。

樹高は低く、2mから3mほどで、「わたしゃお多福 御室の桜 鼻が低くても 人が好く」と歌われた。「御室桜」が満開になると、京都の春も終わるといわれる。

二王門は左右に金剛力士を配し、門自体のスケールの大きさに圧倒されます。
この二王門は京都の三大門の一つに数えられています。

勅使門 四脚の唐門とともに、扉や欄間などに見られる装飾が見事。

御室桜は遅咲きで、背丈の低い桜です。
近年までは桜の下に硬い岩盤があるため、根を地中深くのばせないので背丈が低くなったと言われていましたが、現在の調査で岩盤ではなく粘土質の土壌であることが解りました。

桜の名所も人が土を踏み固めて値を痛めることが多いのですが、通路はスノコをひいて保護されている。
「花(鼻)が低い」ということから「お多福桜」ともいう。
この事から京都では、背が低くて鼻が低い女性のことを「御室の桜のような」と評することがあるという。

満開は例年遅く、桜の名所の多い京都で季節の最後を飾る。
御室桜は日本さくら名所100選に選定されている。
普段は、無料ですが、この時期は、有料になります。

五重塔と桜が同時に見える場所は撮影の絶好のポジションでカメラが順番待ち。
花見の盛んな様子は江戸時代の儒学者・貝原益軒が書いた『京城勝覧』(けいじょうしょうらん)という京都の名所を巡覧できる案内書にも次の様に紹介されています。

「春はこの境内の奥に八重桜多し、洛中洛外にて第一とす、吉野の山桜に対すべし、…花見る人多くして日々群衆せり…」と記され、吉野の桜に比べて優るとも劣らないと絶賛されております。

桜の品種は約200株のうち、約80%が白花の「有明」が占めていて、いわゆる「里桜」ですので、開花の時期は遅く、標準的な染井吉野の開花後、10日ぐらいが見頃だ。

古くは江戸時代の頃から庶民の桜として親しまれ、数多くの和歌に詠われております。

仁和寺や足もとよりぞ花の雲 春泥

ねぶたさの春は御室の花よりぞ 蕪村

この時期ミツバツツジも見頃を迎え五重塔と緑の木々とのコラボが素晴らしい。
五重塔は「重要文化財」

1644(寛永21)年築。高さ約36m
五重塔は、各層の屋根の大きさがほぼ同じというのは江戸期の特徴とか。

ミツバツツジと鐘楼。

鐘楼は「重要文化財」
1644(寛永21)年築。朱色の建物としだれ桜のコントラストが見事。

鐘の周囲を板で覆っているこの形を『袴腰式(はかまこししき)』と呼ばれます。

ミツバツツジと枝垂れ桜のコラボ。

九所明神(KushoMyojin)は重要文化財
仁和寺の伽藍を守る社。
社殿は本殿・左殿・右殿の三棟あり、八幡三神を本殿に、東側の左殿には賀茂上下・日吉・武答・稲荷を、西側の右殿には松尾・平野・小日吉・木野嶋の計九座の明神を祀ります。

九所明神の最古の記録は『御室相承記』に、建暦2年(1212年)に境内南にあったものを東に遷宮した事が書かれています。
現在の建物は寛永年間に建立されたもの。

仁和寺へのアクセス、行き方歩き方

仁和寺公式サイト

住所:京都市右京区御室大内33
電話:075-461-1155

JR嵯峨野線 花園駅 徒歩15分
嵐電北野線御室仁和寺駅からすぐ